今回はWindows Serverの歴史とOSバージョンによって何が異なるのかを簡単に見ていきたいと思います。
Windows NT Server 4.0からWindows Server 2008 R2
Windows NT 4.0が登場する以前には、Windows NT 3.1~Windows NT 3.51というバージョンも存在しますが、本編ではWindows NT Server 4.0以降を対象に解説します。
Windows NT Server 4.0は、一般ユーザ内で普及し始めたWindows 95のGUIのインターフェースを踏襲したことにより、Windows NT Workstation 4.0と共に企業内で普及し始めました。その普及に伴い企業内でのユーザ管理にNTドメイン(※1)が利用されるケースが増えました。
その後、マイクロソフト社はWindows Server 2003からWindows Server 2008 R2に至るまで、さまざまなServer OSのバージョンを世の中に送り出してきました(表1 Windows Serverのリリース年)。
NO | 製品 | リリース |
1 | Windows NT Server 4.0 | 1996年 |
2 | Windows 2000 Server | 2000年 |
3 | Windows Server 2003 | 2003年 |
4 | Windows Server 2003 R2 | 2005年 |
5 | Windows Server 2008 | 2008年 |
6 | Windows Server 2008 R2 | 2009年 |
以降、マイクロソフト社の各Server OSをまとめてWindows Serverと表記します。
NTドメインはWindows 2000 Server(2000年)以降は、NTドメインの機能を強化したActive Directoryとして提供されています。
Windows Server を選択するにあたって
Windows Server製品を選定するにあたっては、登場してから暫く経過しておりセキュリティホールやバグに対する更新プログラムが提供されている実績が多く安定した製品を選定したいと考える人もいるでしょう。しかしながら、マイクロソフト社は各製品に対してサポート期限を設けています。
各製品のサポートは、ビジネス製品であるのかコンシューマ向けの製品であるのかによって異なりますが、ビジネス向けの製品であるWindows Serverのサポート期限は、10年となっています。この10年のうち、最初の5年はメインストリームサポートフェーズとして、すべてのサポートが提供されます。残りの5年は、延長サポートフェーズとして別途契約を行わない限りは、セキュリティ更新プログラムの提供のみ行われます。なお、一定期間以内に延長サポート契約を実施することで、別途更新プログラムの提供を受けることも可能となりますが、費用が非常に高いため特別な場合を除いてはお勧めできません。
「表2 マイクロソフト社のサポートフェーズ」および、マイクロソフト社のサポートライフサイクルを参照ください。
サポートの種類 |
メインストリーム サポートフェーズ |
延長 サポートフェーズ |
仕様変更/新機能追加リクエスト | 〇 | × |
セキュリティ更新プログラム | 〇 | 〇 |
セキュリティ以外の更新プログラムの提供 | 〇 | △ |
無償サポート、問い合わせなど | 〇 | × |
有償サポート | 〇 | 〇 |
サポート対象製品 | 全製品 | ビジネス製品、開発用 |
ただし、新しいサービスパックが提供されている場合は、そのサービスパックの適用されていることがサポートを受けるための条件となりますが、1つ前のサービスパックに対しては、サービスパック提供後12ヶ月(製品の利用状況によっては24ヶ月)のサポートが提供されます。
詳しくは、マイクロソフト社のWebページを参照ください。