プロセスのテーラリング
ピックアップ型のプロセスの構成
Rational Method Composer(以後、RMC)によるプロセスの構成は、ツール上はメソッド構成というもので定義します。まず、メソッド・ライブラリーからプロセスに含める要素をメソッド・コンテンツのコンテンツ・パッケージ、プロセスのケーパビリティー・パターンおよびデリバリー・プロセスを単位としてピックアップします。この方式にすることでメソッド・コンテンツとプロセスの再利用性が高い上に、プロジェクトに適用する開発プロセスの定義を柔軟に行えます(図2)。
また、定義済みのメソッドがプロジェクトに適さない場合には、ベースとなるメソッド・プラグインから派生させてオリジナルのメソッド・プラグインを拡充させることができます。当然、メソッドをスクラッチで記述するのに比べて作業量は圧倒的に少なく済みます。例えば、あるタスクのカスタマイズを行う場合では、定義項目が明確になっているので、関係者間で変更内容の合意形成が取りやすくなっています(図3)。
ただし、いくら容易とはいえ、メソッドの記述を変更するレベルのテーラリングが頻発すると開発現場の負担が高くなり、プロジェクトの立ち上がりの期間を長くしてしまうので、ISOやプライバシーマークなどの認定に対応する全社統一のプロセス以外は、対象業種や部署ごとに開発プロセス標準をテンプレートとして規定して、プロジェクトやその中のロール・チームはピックアップ型でテーラリングするのが現実的です。
定義したプロセスの公開
RMCでのメソッド構成(プロセス定義)が完了したら続いて公開用のドキュメントをHTML、Adobe PDF、Microsoft Wordのいずれかの形式で出力します。HTMLは、シンプルなWebサーバーで公開するための静的なコンテンツとして、またはJavaアプリケーション・サーバーのアプリケーション(WARまたはEAR)としての出力を選択できます(図4)。プロジェクトに適用したプロセス定義をプロジェクトのポータル・サイトなど、規定した場所に公開することで参照しやすくすることができます。
さらにRMCには、メソッド・プラグインのケーアビリティー・パターンに含まれるWBSをプロジェクト管理ツール用のデータとしてエクスポートすることができます。これらのタスクには、すべき作業の説明が記述されているだけでなく、プロセス定義へのハイパー・リンクも含まれており、担当者がタスクの意味と求められる成果物を理解するのを手助けします(図5)。
-
IBM Rational アジャイル・ソリューションに関して
http://www.ibm.com/software/jp/rational/info/agilityatscale/
-
IBM Rationalソフトウェアに関して
http://www.ibm.com/software/jp/rational/
-
IBM Rationalソフトウェアお問い合わせ
IBM ソフトウェア・ダイレクト
0120-550-210受付時間:平日9時30分から17時30分まで(12時から13時を除く)ROUTERTL@jp.ibm.com
- EnterpriseZine記事『コラボレーションで実現する高次元のソフトウェア開発 -- IBM Rationalの提唱するCLMとは』も併せてご参考ください。