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OpenAMで始めるシングルサインオン

OpenAMが提供する様々な認証方式

OpenAMで始めるシングルサインオン(5)

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今回想定する認証時のセキュリティ要件

 これまでに述べたように、OpenAMは多数の認証モジュールを組み合わせて企業のセキュリティポリシーに合った認証機能を実現することができます。今回は具体例として、以下のような認証時のセキュリティ要件を想定し設定を行います。

  • 社員は業務システムに社内LANからもインターネットからもアクセス可能
  • 社内LANからアクセスする際は、IDとパスワードによる認証が必要
  • インターネットからアクセスする際は、IDとパスワードによる認証に加え、ワンタイムパスワードによる認証も必要
  • ただし最終ログイン時刻から240時間以内であれば、ワンタイムパスワードによる認証は不要
  • 社内LANからDMZにあるOpenAMサーバへのアクセスは、プロキサーバ(IPアドレス:192.168.0.10)を経由する
図2:ネットワーク構成
図2:ネットワーク構成

 以上の要件を満たすために、使用する認証モジュールは次の3つです。

図3:認証連鎖の設定
図3:認証連鎖の設定

 ユーザはまずデータストア認証モジュールにより、一般的なIDとパスワードによる認証を求められます。成功した場合、アダプティブリスク認証モジュールにより、次の不正アクセスに対するリスクの評価がされます。

 合計点が設定したしきい値以下と算出された場合、そこで認証処理が終了します。逆にしきい値を上回った場合は、HOTP認証モジュールによりワンタイムパスワードでの認証が求められます。ワンタイムパスワードは、ログイン画面のワンタイムパスワード要求ボタンをクリックすることで、ユーザのメールアドレスに配信されます。

多要素認証の設定方法

 設定手順は以下のようになります。

  • 各認証モジュールの作成
  • 認証連鎖の作成
  • ワンタイムパスワード送信用メールアドレスの設定

 今回設定する認証モジュールのうち、データストア認証はIDとパスワードを使う一般的な認証のため、特に設定の必要はありません。アダプティブリスク認証では、IPアドレスのチェックと最終ログイン時刻のチェックの有効化と、しきい値の設定を行います。

 また、HOTP認証はワンタイムパスワードをメールで送信するため、SMTPサーバの設定を行います。送信されたメールを受信できるように、動作確認用ユーザのメールアドレス属性にメールアドレスを設定します。

 以降の作業は、管理者ユーザ(amadmin)でOpenAM管理コンソールにログインして行います。

アダプティブリスクモジュールインスタンスの作成

  1. 「アクセス制御」タブ、「 / (最上位のレルム)」のリンク、「認証」を順次クリックして認証設定画面を開く
  2. モジュールインスタンスの「新規」ボタンをクリック
  3. 新規モジュールインスタンス画面で任意の「名前」を入力し、タイプに「アダプティブリスク」を選択して、「了解」ボタンをクリック
    図5:アダプティブリスク認証モジュールの登録画面
    図5:アダプティブリスク認証モジュールの登録画面
  4. モジュールインスタンスの一覧に作成したモジュールインスタンスのリンクが追加されるので、これをクリックしてアダプティブリスク画面を表示
  5. 「リスクしきい値」を「2」に変更
  6. 「IP アドレスレンジチェック」の「有効」にチェック。「IP範囲」からデフォルト値の「10.0.0.0/24」を削除し、プロキシサーバのアドレスである「192.168.0.10」を追加
    図6:アダプティブリスク認証の設定画面(1)
    図6:アダプティブリスク認証の設定画面(1)
  7. 「最終ログインからの経過時間チェック」の「有効」にチェック。「Cookie 名」に任意クッキー名を入力し、「最終ログインからの最大時間」に「10」(240時間)を入力
    図7:アダプティブリスク認証の設定画面(2)
    図7:アダプティブリスク認証の設定画面(2)
  8. 「保存」ボタンをクリックして保存しから、「認証へ戻る」ボタンをクリック

次のページ
HOTP認証モジュールインスタンスの設定

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この記事の著者

田村 広平(タムラ コウヘイ)

OpenAMコミッタ。1978年長野県生まれ。OSS(特にOpenAM)の研究開発、テクニカルサポートに従事。E-Mail  : ktamura.biz.80@gmail.comTwitter : @tamura__246GitHub : https://github.com/k-tamuraブロ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/6853 2015/10/15 01:38

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