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徹底解説JsRender/JsViews

JavaScriptテンプレートエンジンJsRender 基本のキ

徹底解説JsRender/JsViews 第1回

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JsRenderを使わないテキストの生成

 もっとも、JsRenderなどのテンプレートエンジンを使わなくても、JavaScriptだけでテキストやHTMLを生成することはできます。

 まずは、データモデルとなるJavaScriptのオブジェクトを定義し、JsRenderを使わずにテキストを生成する方法を見てみます。

リスト1 JsRenderを使わないテキストの生成(JsRender_sample1.html)
<script type="text/javascript">
// データモデルの定義
var item = {
    name: "みかん",
    price: 100,
    weight: 60
};

// +演算子を使ってテキストを連結
var result = item.name + "の値段は" + item.price + "円です。\r\n" +
             "重さは" + item.weight + "グラムです。";

// 連結したテキストをメッセージボックスに表示
alert(result);
</script>
図4:+演算子を使って連結したテキストを表示
図4:+演算子を使って連結したテキストを表示

 データモデルとしてJavaScriptのオブジェクトitemを定義し、+演算子を使ってその値を連結しました。

JsRenderを使ったテキストの生成

 同じことを、JsRenderを使って実装してみます。

リスト2 JsRenderを使ったテキストの生成(JsRender_sample2.html)
<!-- 1. JsRenderの読み込み -->
<script src="jsrender.js" type="text/javascript"></script>

<script type="text/javascript">
// データモデルの定義
var item = {
    name: "みかん",
    price: 100,
    weight: 60
};

// 2. テンプレートの定義
var templateText = "{{:name}}の値段は{{:price}}円です。\r\n" +
                   "重さは{{:weight}}グラムです。";

// 3. テンプレートオブジェクトを作成
var template = jsviews.templates(templateText);

// 4. テンプレートとデータモデルを組み合わせてテキストを生成
var result = template.render(item);

// 生成したテキストをメッセージボックスに表示
alert(result);
</script>

 JsRenderを読み込み、定義したテンプレートとデータモデルであるitemオブジェクトを組み合わせテキストを生成します。

  1. jsrender.jsを読み込みます。
  2. 次に、テンプレートを定義します。テンプレートは二重ブレース{{}}で囲まれたJsRenderのタグを持つテキストで、出力するテキストの雛形になります。二重ブレースの中に、:プロパティ名と書くと、JsRenderはデータモデルの中から同名のプロパティを探し出し、その値と置き換えたテキストを出力します。
  3. jsviews.templatesメソッドを呼び出し、テンプレートオブジェクトを作成します。
  4. そして、テンプレートオブジェクトのrenderメソッドを呼び出してテキストを生成します。

 このように、JsRenderを使うと+演算子を使ってテキストを連結する必要がなくなります。今回の例のように、単純なテキストを生成する場合はテンプレートを定義してもメリットがないように見えます。しかし、例えばデータモデルに新しいプロパティを追加する場合、データモデルとテンプレートを修正するだけでよく、他のスクリプトを変更する必要はありません。

テンプレートをscript要素に定義する

 テンプレートは別のscriptタグ内に定義することも可能です。テンプレートをscriptタグ内に定義すると、改行やダブルクォーテーションなどの文字をエスケープする必要がなくなります。

script要素内にテンプレートを定義する

 script要素内にテンプレートを定義するには、テンプレートの内容をscript要素の中に記述します。

リスト3 scriptタグ内にテンプレートを定義する(JsRender_sample3.html)
<script id="itemTemplate" type="text/x-jsrender">
{{:name}}の値段は{{:price}}円です。
重さは{{:weight}}グラムです。
</script>

 テンプレートを含むscriptタグにはid属性をつけ、type属性はtext/x-jsrenderを指定してください。type属性をtext/javascriptにすると、ブラウザはテンプレートの内容をJavaScriptとして実行しようとします。しかし、テンプレートは有効なJavaScriptではないため、スクリプトエラーが発生してしまいます。

script要素内に定義したテンプレートを使う

 scriptタグ内に定義したテンプレートを使うには、getElementByIdメソッドを使ってテンプレートを定義したscript要素を取得し、innerHTMLプロパティを使って内部のテキストを取得します。

リスト4 scriptタグ内に定義したテンプレートを使う(JsRender_sample3.html)
// テンプレートが定義されたscript要素を探す
var templateElement = document.getElementById("itemTemplate");

// script要素内のテキストを取得
var templateText = templateElement.innerHTML;

// テンプレートオブジェクトを作成
var template = jsviews.templates(templateText);

// テンプレートとデータモデルを組み合わせてテキストを生成
var result = template.render(item);

次のページ
jQueryを使ってテキストの生成を簡略化する

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト やましぎ(ヤマシギ)

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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