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室内での全天球撮影の課題

 全天球カメラとパノラマ技術による空間情報の表現にも課題はあります。その一つが室内での情報共有です。

 全天球カメラであっても、壁の向こうを撮影することは不可能ですし、天井の高さ以上には撮影ポイントを移動することはできません。また、全天周カメラおよびパノラマ技術の特性により、高過ぎる位置からの撮影データでは、含まれる空間情報の量が減少することが確認されています(図4)。遠くを見通すために、高さを取って全天球撮影しようと試みた結果、天井ばかりが映り込んでしまうケースもありえるのです。

図4.室内における全天球カメラによる撮影結果(Special Thanks:CROSS2014
図4.室内における全天球カメラによる撮影結果(Special Thanks:CROSS2014)

 室内という限られた空間では、全天球カメラで撮影する高さとパノラマ技術で変換する手法の絶妙なバランスが要求されます。また、壁や天井といった物理的な制限については、ある程度止むなしと判断することも重要です。

 図5では、全天球カメラの撮影ポイントを少し下げ、パノラマ技術としてはラビットホールを採用しました。

図5.室内における全天球カメラによる撮影結果その2(Special Thanks:CROSS2014
図5.室内における全天球カメラによる撮影結果その2(Special Thanks:CROSS2014)

 さらに高さを下げてみましょう(図6)。いかがでしょうか? 各部屋の座席状況は残念ながら見えなくなりましたが、周辺の座席密度などが見やすくなったかと思います。このように室内における全天球カメラおよびパノラマ技術の適用には注意が必要です。

図6.室内における全天球カメラによる撮影結果その3(Special Thanks:CROSS2014
図6.室内における全天球カメラによる撮影結果その3(Special Thanks:CROSS2014)

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松本 直人(マツモト ナオト)

1996年より特別第二種通信事業者のエンジニアとしてインターネット網整備に従事。その後システム・コンサルタント,ビジネス・コンサルタントを経て2010年より,さくらインターネット株式会社 / さくらインターネット 研究所 上級研究員。(2016年より一時退任)研究テーマはネットワーク仮想化など。3~5年先に必要とされる技術研究に取り組み、世の中に情報共有することを活動基本としている。著書: 『モノのインターネットのコトハジメ』,『角川インターネット講座 ~ビッグデータを開拓せよ~』など多数。情報処理学会 インターネットと運用技術研究会 幹事

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