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IBMの新しい高性能クラウド「SoftLayer」を使ってみた
~アカウント開設からインスタンス立ち上げまで

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 昨年2013年7月にIBMが買収したことで最近ちょくちょく耳にするようになったSoftLayer。実際のところどんな感じなの?という方、あるいは、SoftLayerという言葉を初めて耳にしたという方もいらっしゃるかもしれません。今回は、アカウント開設からインスタンス立ち上げまでクリエーションラインのSoftLayerプロジェクトチームで実際に行ってみた結果、その手順と魅力についてお伝えします。

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1.拡大し続けるサービス規模と意外な魅力

 SoftLayerは、『COOが明かすクラウドサービス「SoftLayer」の全貌』でも語られているように、稼働しているサーバー台数は10万台以上、顧客数は2万1千、そして運用されているウェブサイトのドメイン数は2200万以上で世界最大級と言われ、メジャーなIaaSの一つとなっています。先日発表された情報によると、2014年中に香港をはじめ世界各地15か所にデータセンターを設置するほか、最終的に40か所のデータセンター増設を予定しているということで、さらにその規模を拡大しつつあります。

 SoftLayerと言えば、世界各地にあるデータセンターを束ねる高速ネットワークや、物理サーバーと仮想サーバーの連携が大きな特徴ですが、ユーザからは意外と「サポートがかなりよい」「ネットワーク機器などの選択肢が多く、ニーズにあわせた構成ができる」という声も多く聞きます。特にサポートは、チャットで気軽に質問できたり、作業の進捗を逐一報告してくれたり、問題が解決したかその満足度をレーティングできるようになっていて、ユーザが安心して使えるためのホスピタリティを持った体制になっている様子。これらは実際に本番環境として運用することで実感できると思いますが、まずはそのとっかかりとしてアカウントを開設してみましょう!

2. 緊急指令!「無料で仮想サーバーを立ち上げよ」

2.1 1か月間無料のトライアルが展開中

 最近のネットを通して提供されるサービスには、一定期間無料で使えるものが増えてきています。お金を払う前に、「試しに使いたいな~」と思う方は多いはず。そんなニーズを見越してか、SoftLayerクラウドにも無料トライアルが提供されています。

 無料で使えるのは、パブリック・クラウド上のインスタンス1個分です。金額にして$50(月額、シンガポールのデータセンターは$70)の環境を1か月間立ち上げっぱなしで機能制限なく利用できます。ただし、1か月を経過すると、課金対象ですのでご注意を。

 それでは、具体的にアカウントの作り方からインスタンスへの接続まで、順を追って進めていきましょう。読み終わる頃には、SoftLayerクラウド環境が、安定してスムーズに利用できることが体感できるはずです。

2.2 アカウント開設手続きと、ポータルへのログイン

 SoftLayerのサービスを利用するためには、アカウントの開設が必要です。アカウントの登録が終われば、SoftLayerのポータル画面へ接続できます。ポータル画面では、すべてのサービスが利用可能になります。問い合わせ窓口やオンラインチャットなど、問い合わせ窓口もポータルを通して提供されています。

 では、まずSoftLayerの無料アカウント発行を行います。IBM社SoftLayerのサイトを開きます。ページ右上部にある「クラウド・サーバーを30日間無料でトライアル」の「今すぐ試す」をクリック。SoftLayerのサイトが開きますので、「ORDER NOW」をクリックします。

 申し込みにはクレジットカードが必要です。手元に有効期限内かつ決済可能なカードをご用意ください。各項目は英語ですが、会員情報をアルファベットで記入していきます。

 クレジットカード情報のほか、データセンターの選択と起動するOS情報の選択を行います。データセンターは選択肢にあるお好きなデータセンターを選んでください。「Host Name」にはホスト名、「Domain Name」にはドメイン名を記入します(例:“www.example.jp”の場合、Host Nameは「www」、Domain Nameは「example.jp」を記入)。インスタンス内部で使用するため、実在するホスト名でなくても構いません。起動するインスタンス上の設定に、自動的に反映されます。

 フォームで一通りの入力が終わったあとは、「SUBMIT」(送信)を押します。

  次の画面では、登録内容の確認が表示されます。「I agree to the SoftLayer Master Service Agreement」(私はSoftLayerマスターサービス・アグリーメントに同意します)のチェックボックスをクリックし、「ORDER」(申し込む)を押します。

 画面が切り替わると登録完了です。登録したメールアドレスに、確認メールが届きます。

 あとは、SoftLayer社から確認の電話を待ちます。電話で申し込み意志の最終確認です。なお、サイトには2~4時間とありますが、筆者の場合は20分で電話がかかってきました。着信番号を観てみると、国番号はオランダ(+31)でした。

 なお、電話は英語でのやりとりになります。電話に出て「Hello」というと、先方は「ソフトレイヤー社の○○で、これは申し込みの確認です」(英語)と言ってきます。私の場合は、相手が早口で聞き取り辛かったので「Could you speak more slowly, please?」(もう少しゆっくり喋っていただけますか)とお願いをしたところ、かなりゆっくり、子どもを諭すような感じでやりとりが続きました。私自身、普段英語でのやりとりがないので、電話での認証というと、正直かなり緊張していました。ですが、電話を下さった方は、ゆっくり丁寧&フレンドリーな感じで、安心して手続きを進められました。

 そして、確認内容はまず、申し込み者の名前が合っているかどうか。それから、クレジットカードの情報について2つほど質問がありました。最後に申し込みの意志確認を行い、手続きが完了した旨を伝えてくれます。電話を切ると、1分もしないうちに「Welcome to Softlayer」というメールが届きました。このメールに、ポータルへのログインIDとパスワードが記載されています。

 では、ポータルへアクセスしましょう。https://manage.softlayer.com/を開き、認証情報に従ってログインします。初回はパスワード変更が必要です。ログイン後は「New Portal」をクリックするか、https://control.softlayer.com/にアクセスすると、分かりやすいポータル画面が表示されます。

  以降は、このポータル画面を通しての作業を行います。

2.3 ポータル画面にログイン!

 認証手続きが完了すると、ポータルへのログイン情報が記載されたメールが届きます。この時点で、すぐにポータルを利用できます。まずは、カスタマーポータルhttps://control.softlayer.com/にアクセスしてください。

 以下の図は、ログインしてメニューを展開したところです。

  他のサービスと違って面白いのは、クラウド環境・物理環境(ベアメタル)を問わず、すべてのサービスが一覧で表示される点です。サーバーやネットワークの構成管理のみならず、サーバー情報のモニタリング、サポート窓口や、チケット管理システム、さらに、請求書情報などもポータルを通して機能が提供されています。

 提供されている機能は、主に以下の4つがあげられます。

  • システム管理……ハードウェア管理、デバイス(インスタンスなど)管理や再起動、監視、FTP、IPMI、アンチウイルス、ストレージ、イメージ管理、CDN、DNS、ネットワーク帯域、SSL、VPNなどをGUIで一括管理できます。
  • アカウント管理……ポータルへのログインで複数アカウントを発行できます。アカウントごとに、利用可能な機能を制限することもできます。
  • 申し込みとデプロイ……利用可能なのは、パブリック・クラウド上のインスタンスに限りません。物理サーバーや、プライベートクラウド環境、その他にもファイアウォールなどの専用アプライアンスもオンラインから申し込みできます。
  • サポート窓口……サポートは、チケット単位で扱われます。オンラインのフォームからの入力ですが、指定したメールアドレスに内容を送ることもできます。また、オンラインでのチャット(英語)を通したサポートも標準提供されています。困った時も、すぐ問い合わせできるのは安心ですね。

 このように、高機能なSoftLayerのポータルも、特徴の一つといえるのではないでしょうか。

2.4 仮想マシン(CCI)の追加と起動

 さて、仮想マシンを起動してみましょう。……と思いましたが、先ほどアカウントを登録した時点で、自動的に仮想マシンが起動しています。もし、仮想マシンをさらに追加したい場合は、次の手順で進めてください。

 作業はポータル上で仮想マシンを起動し、パスワード設定を行います。それから、対象マシンにログインし、Apacheウェブサーバーが表示できるまで試みた後、最後には、インスタンスを停止します。

 また、SoftLayerのサービスでは、仮想マシンのことをCCIと呼びます。CCI = Cloudlayer Computing Instance(クラウドレイヤー・コンピューティング・インスタンス)は、いわゆる仮想マシン(Virtual Machine)・インスタンスのことです。

 では、ポータルにログイン後、「Devices」をクリックし、画面右上「Order Devices」を押してください。

 インスタンスを追加したいので、”Public Cloud Instances”(パブリック・クラウド・インスタンス)の”Order Hourly”(時間単位での利用申し込み)を選びます。今まで起動していた無償トライアル対象のインスタンスは月額プランのものでしたが、SoftLayer は時間単位のプランもあるので、短時間の起動の場合も便利です。

 次に、申し込み用の画面が開きます。ここでは、最小スペックのマシン環境で、CentOS 6環境を選びます。設定を明示する項目は以下のとおりです。

  • DATA CENTER(データセンター)……“Show Data Centers”をクリックし、“SJC01 - San Jose - West Coast United States”を選びます。
  • Software -> OPERATING SYSTEM……“Show Operating System”をクリックし、“CentOS 6.0 - LAMP install (64 bit)”を選びます。

 画面を下にスクロールし、「Continue Your Order」(申し込みを続ける)を押します。

 確認が画面に表示されるので、「Add, go to Checkout」(追加手続きを進める)を押します。

 「Order Summary and Billing」(申し込み概要と請求)画面では、「Host and Domain Names」の項目に、マシンが内部で使用するホスト名とドメイン名を記入してください。

 最後に、"I have read and agree to the entire Master Service Agreement"(私はマスターサービス規約を読み、同意します。)にチェックを入れて"Finalize Your Order"(申し込みを最終決定する)を押します。

 あとは、自動的にインスタンスの起動が開始します。

2.5 インスタンスへのログイン

 ポータル画面の“Devices”から、追加されたマシン情報を参照します。”Public IP”を押して公開IPアドレスを確認してください。サーバーにSSHで接続するときに必要です。

 ログインの前に、パスワードの確認行います。対象インスタンスのデバイス名の行をクリックし、「Show Password」のチェックボックスをオンにすると、rootのパスワード情報が表示されます。

 あとは、手元の端末からインスタンスへの接続を試みます。

$ ssh -l root 50.97.xxx.xxx
root@50.97.xxx.xxx’s password: <パスワードを入力>
[root@example ~]#

 正常にログインできると、このようにプロンプトが表示されます。

2.6 Apacheサーバーの稼働確認

 最後に、Apacheを起動して、ブラウザからアクセスを試みましょう。

# service httpd start

 これでブラウザからhttp://<IPアドレス/にアクセスすると、Apacheの初期画面を表示することができます。

 簡単ですよね? ここから先は、普通のサーバーのように自由に操作できます。SoftLayerクラウドのデータセンターの所在地は国外です。それでも、サーバーやネットワークのレスポンスが良好なことが体感できるのではないでしょうか。

2.7 仮想マシンの終了(terminate)

 インスタンスを停止する場合も、ポータル上から操作を行います。物理マシンの停止に相当する機能が、マシンの終了(terminate)です。”Devices”のデバイス一覧から、対象インスタンスの「Action」をクリックし、「Cancel Device」(デバイスの無効化)を選びます。

 画面が切り替わったら「Continue」を押し、「I acknowledge that due to cancellation, data los may occur.」(無効化により、データが消えることを了承します。)にチェックを入れ、「Cancel Device」をクリックします。インスタンスが稼働中の場合でも、約1分後に停止します。

注意

 起動したままだと課金されるので、不要であれば止めておきましょう。

3.まとめ

 本記事では、少々駆け足でしたが、仮想マシンインスタンスを起動するまでの基本的な流れを解説しました。正直なところ、SoftLayerのポータル画面は英語なので、はじめは難しそうに見えました。しかし、使われている単語はシンプルなものですし、比較的直感的に操作しやすいインターフェースだと感じました。

 そして、SoftLayerには今回お伝えした以外にも、多くの機能があります。特に、セキュリティ面ではVPN接続の選択肢が多い(PPTP、SSL-VPN、IPsec)のも大きな特徴。事業社側が提供するVPN網へ、ダイレクトに接続できるので安心です。また、APIを使ってプログラマブルに管理を行うことも可能であり、APIで物理環境(ベアメタル)や専用のネットワーク機器/ファイアウォールを設置できるのも、かなり特徴的といえます。加えて、SoftLayer社が長年にわたって培った技術やサポート体制にも注目です。

 世界で支持されているクラウド環境を無料で試す良いチャンスです。記事を読むだけではなく、この無償期間を活用し、ぜひ自分でインスタンスを立ち上げて確かめてみてくださいね!

参考情報:利用開始後に役立つURL集

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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