高集積化するストレージのアレコレ
私たちを取り巻くシステム環境は、日増しに高集積化する方向へと進んでいます。仮想化技術などにより、1つの物理システムに多数の異なる仮想システムが載るようになったからです。特にストレージシステムは、その傾向が顕著に出ています。図1はAAEON社製のサーバ筐体で、2Uの大きさに2.5インチSATAディスクを66台搭載可能、2つの10Gigabit Ethernetポートを持つ仕様です。昨年のCOMPUTEX TAIPEIで直接機材を目の当たりにしましたが、ストレージへの高いI/Oアクセス性能を求められるアプリケーションに最適なシステムに設計していると説明を受けました。
同様に、図2もAAEON社製のサーバ筐体で、1Uの大きさに3.5インチSATAディスクを12台搭載可能、2つの1 Gigabit Ethernetポートを持つ仕様です。こちらはサーバ筐体での単位面積あたりのストレージ容量に焦点を絞った設計になっています。
次に、単位面積あたりにどれだけのディスクが搭載可能になってきたか、図3のQUANTA社製をJBOD(Just a Bunch Of Disks)筐体を見てみましょう。このJBOD筐体では、60台の3.5および2.5インチのSAS2とSATA3に対応したディスクを搭載可能で、6Gb/s mini-SASポートを4つ持っています。これを1ラックに10台並べれば600台のディスクが搭載できますが、システム全体の荷重も相当なものになるでしょう(正直あまり考えたくない重さです……)。
ここではストレージシステムにおける単位面積あたりでの高集積化の最新動向を見てきました。いかがでしょうか、「これだけのシステムを本当に使うのか…?」など疑問も多数頭に浮かんできたのではないかと思います。しかしその解説は後に譲り、つぎは高速化するネットワークの最新動向について見ていくことにします。
また、システムは相互に連携して初めて真価が発揮されます。その可能性と現在の限界について確認していきましょう。