ASP.NET Identityの動作確認
詳細な動作原理の解説は次回以降に行うこととして、まずは動かして動作を確認してみましょう。作成したWebアプリケーションを、F5キー(デバッグ開始)などで実行してください。初回起動時はSQL Serverのデータベースを構築したりするので少し時間がかかりますが、しばらく待つと「ホーム画面」がWebブラウザ表示されます(図10)。
まずはログインするために、ホーム画面右上の「ログイン」リンクをクリックします。すると「ログイン画面」に遷移します(図11)。
まだアカウントがない状態なので、アカウントを登録しましょう。左下の「登録」リンクをクリックして、「登録画面」を表示します(図12)。
登録するアカウント情報を入力して「登録」ボタンをクリックします。なお、既定ではユーザー名には"-"(ハイフン)などの記号は使えないようです(図13)。
ユーザーの登録が終わると、自動的にログイン処理も行われます。ログイン後は画面左上に"Hello, (ユーザー名) !"と表示され、「ログイン」リンクも「ログオフ」リンクに変わります(図14)。
"Hello, (ユーザー名) !"部分はリンクになっています。クリックすると「アカウントの管理画面」が表示され、パスワードの変更が可能です(図15)。
最後にログオフして終了しましょう。画面右上の「ログオフ」リンクをクリックします。すると、ログオフ処理が行われ、ホーム画面に戻ります。
いかがでしょうか? ただASP.NET Identityを使うだけであれば、テンプレートをそのまま使用すると非常にお手軽なことが分かると思います。
まとめ
今回はASP.NET Identityについて、その登場背景からどのようなものであるかを紹介し、実際に使用したWebアプリケーションを作成して動作させてみました。今回の内容をまとめると次のようになります。
- ASP.NET Identityは「新しい」認証、資格管理システム
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これまでのASP.NETにおける認証、資格管理システムの以下の問題を解決するために登場した
- SQL ServerなどのRDBMSを前提としている
- 資格情報をカスタマイズすると管理が煩雑になる
- ユニットテストをはじめとしたコードによる自動化テストが難しい
- Facebook、Twitterといったソーシャルアカウントを使った認証ができない
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ASP.NET IdentityはVS2013のWeb標準テンプレートに組み込まれている
- Webフォーム、MVC、Web API、SignalRなどの各種テクノロジーで使用できる
- 「個人ユーザーアカウント」を選択すると使用できる
次回からは今回作成したWebアプリケーションをもとに、その挙動について詳しく解説していきます。お楽しみに。