データベースサーバの構築/RDS(1)
まず、Webアプリケーションで使用するデータを格納するためのデータベースサーバを構築します。ここでは、RDBMS機能を提供するサービスである「RDS」を使ってデータベースサーバを構築します。
セキュリティグループの設定
データベースサーバに適応するセキュリティグループを設定するため、AWSマネジメントコンソールを開き、[EC2]を選択します。EC2のメニューの[Security Groups]を選択し、[Create Security Group]をクリックします。
ここで、今回はデータベースサーバにMySQLを使用しますので、以下のようにセキュリティを設定します。これで、mysql-baseというセキュリティグループが作成され、MySQLが使用するポート番号:3306の通信が許可されたということになります。
RDSのインスタンス生成
次にRDSを使ってデータベースサーバを構築します。
RDSを利用するには、AWSマネジメントコンソールで[RDS]をクリックします。
新しいデータベースサーバを構築するため、[Launch a DB Instance]をクリックします。
RDSで利用できるデータベースサーバは、MySQL/PostgreSQL/Oracle/SQL Serverなどがあります。ここでは、オープンソースソフトウエアであるMySQLを選択します。
ここで、データベースの冗長化についての設定をします。
データベースの障害は、システムにとって致命的な障害をもたらすことがあります。
RDSでは、自動的にプライマリDBインスタンスを作成すると同時に、プライマリDBとは異なるアベイラビリティーゾーン(AZ)にバックアップ用DBを作成し、そこにデータを複製する機能を持っています。これを「Multi AZ」と呼んでいます。このMulti AZを利用すると、自動的にデータを複製するだけでなく、障害が発生したときに自動でフェールオーバー(切り替え)を行ってくれます。
今回は、冗長化を行いませんので[No]を選択し、[Next Step]をクリックます。
DBの詳細設定を行う画面が表示されます。
ここで設定できる項目は次のとおりです。
項目 |
説明 | 今回の設定値 |
---|---|---|
DB Engine | データベースの種類 | MySQL |
License Model | ライセンスの種類 | general-public-instance |
DB Engine Version | データベースエンジンのバージョン | 5.6.13 |
DB Instance Class | データベースを起動するインスタンスのタイプ | db.t1.micro |
Multi-AZ Deployment | 異なるアベイラビリティゾーン間で冗長化構成にするかどうか | No |
Allocated Storage: | データベースのストレージ容量。最少5 GB/最大3072 GB | 5 |
Use Provisioned IOPS | 高性能のストレージを使うかどうかのオプション。スケールアウトを自動で行う場合はチェックする | チェックしない |
DB Instance Identifier | データベースのインスタンスの名前 | testdb |
Master Username | データベースにアクセスするときのユーザ名 | dbuser |
Master Password | データベースにアクセスするときのパスワード(8文字以上にする必要があります) | password |
次にデータベースの通信やセキュリティなどの設定をします。
設定できる項目は次のとおりです。
項目 | 説明 | 今回の設定値 |
---|---|---|
VPC | データベースをどのVPC内に作成するか | Default VPC |
DB Subnet Group | VPC内のサブネットを選択 | default |
Publicly Accessible | Yes:VPC外部からの接続を許可する/No:VPC外部からの接続を許可しない | Yes |
Availability Zone | どのアベイラビリティゾーンに作成するか | No Prefarence |
VPC Security Group(s) | Security Groupの指定 | mysql-base |
次にデータベースのバックアップやメンテナンスに関する設定をします。
設定できる項目は次のとおりです。
項目 | 説明 | 今回の設定値 |
---|---|---|
Database Name | データベースの名前 | testdb |
Database Port | データベースが使用するポート番号 | 3306 |
Parameter Group | 定義済みのDB Parameter Groupを指定 | default |
Option Group | (Oracleのオプションを指定) | default |
Backup Retention Period | バックアップの保持期間 | 0 |
Backup Window | バックアップを取得するタイミング | ― |
Auto Minor Version Upgrade | Yes:マイナーバージョンアップを自動で行う/No: マイナーバージョンアップを自動で行わない | Yes |
Maintenance Window | RDSへのメンテナンスを行うための時間を指定 | No Preference |
確認画面が表示されるので、内容を確認し[Launch Instance]をクリックしてください。
RDSのインスタンスの生成には数分~数十分かかります。インスタンスの状況はAWSマネジメントコンソールの[RDS]‐[Instance]を選択します。インスタンスが利用できる状態になると、[Status]が[Available]になります。
これで、データベースサーバの構築が完了しました。