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仮想ルータVyatta/VyOSで変わるネットワーク設計

いまさら聞けないモバイルとIPv6ネットワークのアレコレ(後編)~モバイル端末へのIPv6アドレスの割り当てメカニズムを知る

仮想ルータVyatta/VyOSで変わるネットワーク設計(7)

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IPv6アドレス割当メカニズムのアレコレ

 前回、前々回でもご紹介しましたが、端末に付与されるIPv6アドレスはOSにより変化します。せっかくiPhone(iOS8.1)とMicrosoft Windows 7、さらにSmartwatch(Android 4.0.4)がありますので、IPv6アドレス割当の規則性の有無について比較していきましょう。

 図6は、IPv6アドレス割当の規則性を比較したものです。検証データでN/A(データなし)という部分もありますが、ざっくりとした理解を深めるものとしてお使いください。このデータをみるとiPhone(iOS8.1)では下位/64のアドレス範囲で規則性は見られず、Microsoft Windows 7とSmartwatch(Android 4.0.4)ではIPv6アドレス割当に規則性が見られます。上位/64の範囲での変更理由としては、テザリングを行うiPhone(iOS8.1)の3G/4G切替などが理由になります。

図6. IPv6アドレス割当の規則性を比較する
図6. IPv6アドレス割当の規則性を比較する

 それでは、IPv6アドレス割当に規則性が見られてたMicrosoft Windows 7とSmartwatch(Android 4.0.4)について詳しくみていきましょう。

 Microsoft Windows 7の検証データは、1日(数時間)以内にテザリングを行っているiPhone(iOS8.1)の3G/4G切替が起こった際の結果を示したものです。一時IPv6アドレスは変化していますが、最初に付与されたIPv6アドレスの下位/64に共通性が見られています。ブラウザなどで使用するのは、一時IPv6アドレスの方なので影響面では気にはならかいかと思います。

図7. Microsoft Windows 7におけるIPv6アドレス割当の規則性
図7. Microsoft Windows 7におけるIPv6アドレス割当の規則性

 次に、Smartwatch(Android 4.0.4)について詳しくみていきましょう。

 SmartWatch(Android 4.0.4)の検証データは、2日間でテザリングを行っているiPhone(iOS8.1)の3G/4G切替が起こった際の結果を示したものです。IPv6アドレスの確認方法としてhttp://test-ipv6.comに接続した結果からデータ収集していますので、実際にブラウザから利用されているIPv6アドレスです。ご覧いただいたとおり、日付の変更(時間経過)や端末リブートなどが伴わない限り、IPv6アドレス下位/64に共通性が見られます。

図8. Smartwatch(Android 4.0.4)におけるIPv6アドレス割当の規則性
図8. Smartwatch(Android 4.0.4)におけるIPv6アドレス割当の規則性

 IPv6アドレス割当とプライバシー保護の問題については、それは長い時間をかけて議論されていますが、端末側のOS実装を一つ取ってもこのように差異があるのが現状です。さらに詳しい議論は、セキュリティ専門の方にお任せするとして、最後にIPv6ネットワークと私たちの国固有の問題についてみていきましょう。

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この記事の著者

松本 直人(マツモト ナオト)

1996年より特別第二種通信事業者のエンジニアとしてインターネット網整備に従事。その後システム・コンサルタント,ビジネス・コンサルタントを経て2010年より,さくらインターネット株式会社 / さくらインターネット 研究所 上級研究員。(2016年より一時退任)研究テーマはネットワーク仮想化など。3~5年先に必要とされる技術研究に取り組み、世の中に情報共有することを活動基本としている。著書: 『モノのインターネットのコトハジメ』,『角川インターネット講座 ~ビッグデータを開拓せよ~』など多数。情報処理学会 インターネットと運用技術研究会 幹事

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