大規模トランザクションに対応する可用性とスケーラビリティ
例えば可用性とスケーラビリティについて。CloudantではCloudantクラスター技術でそれを実現している。ノード追加によるスケールアウトが容易で、データはノードに対し自動的にシャーディングされる。またノードはマスター-マスター型で構成され、たとえノードに障害が起こってもリード/ライトが可能になっているのだ。さらにデータセンター間のレプリケーション機能も用意、さらにはロードバランシングを行い近くの地域のクラスターに接続するなどして、可用性を担保しているのだ。
「いちばん大きなお客さまの場合、200ノードぐらい使っている。トランザクション的にも何万トランザクションにも上っているが、可用性やスケーラビリティに問題は無い。Cloudantは、このようなドキュメント・データをトランザクショナルに利用しているお客さまに使ってもらいたいソリューションだ」と野間氏は言いきる。
Cloudantの優れた点はこれだけではない。モバイルアプリケーションとも連携も見逃せないポイントだ。Cloudantではモバイルにローカル・ストレージを設置し、そのデータをサーバと同期できるようになっている。データの同期プロセスとローカル・ストレージの管理をサポートするためのネイティブライブラリーも提供されており、Cloudantからデータのプッシュとプルを行うことで、複数デバイス間のデータを同期できるようになっているのだ。
もちろん恒常的な可用性についても考慮されている。ネットワークに接続できない場合は、ローカル・ストレージからの読み取り処理と書き込み処理を提供し、接続が復旧するとサーバにデータが同期される仕組みとなっている。
また手軽に始められるのもCloudantのいいところである。「Cloudant社のホームページにアクセスし、サインアップするだけ」と野間氏は言う。またIBMが提供するBluemixという開発環境からもCloudantを試すことができるようになっている。サービスにサインアップするだけで、50ギガバイトものドキュメント・データベースが無料で即、使えるようになるのである。
ここで野間氏はデモを実施。データのレプリケーションや可用性の構築について、いかに簡単にできるかを披露。特にまだドキュメント・データベースを触ったことのない人に、ぜひ試してほしいという。「For Developers」をクリックすると、データベースのサンプルなど、開発者が勉強するための素材が提供されているからだ。
さらに野間氏は、蓄積されたデータをSQLで分析できるような機能が付いていることも紹介。「Warehouse」というボタンをクリックすると、JSONデータがクラウド上のリレーショナルデータベースの表に自動変換、コピーされるのである。この機能を使えば、簡単にSQLでデータ分析ができる環境を用意できるようになる、と野間氏は説明する。
「NoSQLデータベースは今、非常に盛り上がりを見せている。これから触ってみたいなという人は、無償で始められるので、この機会にぜひチャレンジしてほしい。そしてCloudantのさまざまな機能を試すなどして、遊んでほしい」
最後にこう語り、野間氏はセッションを締めた。