メイカーのエコシステム
午前最後のプログラムとして、Eric Kleinをモデレータに、Growforgeというレーザーカッターを使っているDan Shapiro、NomikuのLisa Fetterman, CEOなどを交えてセッションが行われました。
Growforgeは、Kickstarter上で30日間で2790万ドルあまりと過去最高の支持を集めたレーザーカッターのプロジェクトです。Nomikuも注目を集めたスマート低温調理器の会社で、ハードウェアのアクセラレーターであるHAXの卒業生でもあります。
セッションはクラウドファンディングの意味や効果についての話が中心になりました。GrowforgeもNomikuも、「スタート時には何よりもコミュニティ、ファンがほしい。お金が必要になるのはその次のフェーズ」と声をそろえて答えています。
「起業時に投資してくれるエンジェル投資家の資金や自己資金だけでプロジェクトを進めるのはすごく怖いことで、思い描く世界が小さくて独りよがりになってしまう。それを避けるためにクラウドファンディングを使う」ことによって、より自分たちを見失わないプロジェクト運営ができると。
特にNomikuは、「ただし、その最初のお客さんが多すぎるのも問題で、いきなり1万人も顧客ができていろいろ問い合わせが始まったら、対応で自分を見失ってつぶれてしまったかもしれない。もし、車のレースみたいにコースが決まっているなら、プロのレースドライバーみたいに暗記して走ることもできるだろうけど、Nomikuは自分たちも手探りで作っていった。
最初に工場の人に見せたときは、工場の人たちでさえこの低温調理器がどういうものだかわかってくれなかった。でも、少し中国語をおぼえて、San Franciscoから来たことを伝えたりしているうちに、工場も対応が変わってきた」と、手探りで進めることの大切さをより言葉を費やして語っていました。
大きな成功を収めたGrowForgeは、「だれでも、ゴールがわかっていれば到達することができる。でも、最初にお金を出すエンジェルやベンチャーキャピタルの発言は投資してくれたわけだし最初のファンになってくれたわけだから、時に重すぎることがある。Kickstarterで大きな成功を収められたことで、自信を持って進めることができた」と、Nomikuとは別の視点からクラウドファンディングの長所を語ります。
よりDo It With Othersな世界に
今回のMakerConのセッションは、政治・教育・自分のプロジェクトの紹介・文化など多くのテーマにわたりました。どのセッションでも共通していたテーマは、「いかに仲間を集めるか」だと感じました。
Maker支援企業であるSeeed Studioのエリック・パンは「MANUFACTURING: How Makers Get Things Made」のセッションで、「深圳から来たというとみんなFOXCONNみたいな会社を想像するけど、実際はもっと小さい会社がメイカーを成り立たせていて、そういう会社は試しにやってみるとか、やりながら考えるとか、そういうレベルで成り立っている。そういう不確定なところにメイカーが火をつける。メイカーのカルチャーはDIYとは違っていて、もっと知識をシェアして仲間・支持者を増やすカルチャーがある」と語っていました。
アメリカで製造サービスを提供しているPlethoraの発起人Nickも、「クラフトビアみたいなもので、完成度が低い上に割安でもないものでも、何人かが買うようになった。前ぼくは、靴下を作る大企業にいたのだけど、大企業は大きな利益が見込めないと前に進めないそれにくらべるとデモクラティック、民主的な時代になった」と、コミュニティベースでの製品というものが広がっていることについて触れています。
フィジカルなプロダクトはWebサービスに比べて、ユーザの初期のハードルが高い(買わなければならない)ため、より密度の高いコミュニティを必要とするようです。開発者も、ハードウェアのハッカーほど移動や訪問をしたがるように感じます。
