Visual Studio、Visual Studio Team Services、Azureを連携しDevOpsを実現
Visual Studio Team Services(旧名はVisual Studio Online Services)ついても紹介された。このソリューションは、チームでのコードの共有や作業の追跡、ソフトウェアを出荷するためのもので、オンプレミスで利用されるTeam Foundation Serverのクラウドサービス版。これを使うとどういう状態か、実際にメンバーに誰がいるかなど、開発状況をダッシュボードで一元管理できる。「DevOpsの実現に活用できるツールでもある」とロビンス氏は説明する。
デモでは、カンバン方式によるワークアイテムの管理、タスクの変更が簡単にできることなど、さまざまな機能が紹介された。またAzureとの連携も披露。誰がどのタイミングでこのソースコードの変更をコミットしたかというグラフ、コミットログなども履歴として見られるという。「実際にリポジトリ管理と連携していけるので便利に使える」と井上氏は語る。
また、Team Servicesでも拡張機能が使える。マーケットプレイスにあるさまざまなタスクのアイテムを追加できるという。その一つにCordovaのビルドが可能になる拡張機能があり、リリース管理もできるため「自動化が非常に進んでいる」と井上氏は語る。
DevOpsでは、デプロイされたアプリケーションについても動作状況を監視し、パフォーマンス的に問題がないか確認して、次の開発に生かすことが求められる。そのような際に活用したいのが「Application Insights」という機能だ。「これを有効にすると、アプリケーションの動作状況をAzure上に蓄積、可視化できるので、より詳細な情報がダッシュボード上で見られるようになる」と井上氏は説明する。このような分析により、アプリケーションのパフォーマンスを上げていくことができるというわけだ。これはAzure側のダッシュボードで見られるだけではない。これらの情報はVisual Studioからも見ることができ、開発に活かせる。「アプリケーションのパフォーマンスチューニングが容易にできるようになる」(井上氏)
さらにApplication Insightsの中でパフォーマンステストも簡単にできるようになるという。「Visual Studio、Visual Studio Team Service、Azureを使うことでDevOpsのサイクルを一通り回していくことができる」とロビンス氏は言い切る。
Visual Studioはクライアントサイドのクロスプラットフォームも実現している。Cordovaのフレームワークを使えば、HTML5の技術でAndroid、iOSアプリの開発が可能になる。Visual Studioでエミュレータが用意されているので、実機の有無も心配する必要はない。井上氏はRipple EmulatorというGoogle Chromeベースのモバイルエミュレータでデモを実施。加速度センサーのテストもできるという。
もちろんVisual StudioはWindows 10もターゲットにしている。Windowsアプリの開発については、デベロッパー エバンジェリズム統括本部 プラットフォーム エバンジェリスト高橋忍氏がゲストで登壇。高橋氏は「翌日に行われる(高橋氏の)セッションの宣伝として来た」と語り、iOSのX-codeのObjective-CのプロジェクトをVisual Studioで読み込んでコンパイルするとUMPのアプリケーションになる「Bridge for iOS」、WebアプリをWebビューでアプリ化する「Bridge for Web」という技術を紹介。さらにWindows 10 Mobileと外部モニターを接続し、PCのように利用できる「Continuum」機能についても簡単に紹介した。
マイクロソフトでは開発者をサポートするため「Visual Studio Subscriptions」を用意しているので、活用してほしいと井上氏は語る。
「インフラ技術者、開発者をはじめ、ITに携わるすべてのエンジニアのための技術コンファレンス『de:code 2016』が5月に東京で開催される。ぜひ、そこでまたお会いしましょう」ロビンス氏は最後にこう呼びかけ、110分間におよぶセッションを締めた。
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