OSSのHTML5エディタ「Brackets」の機能を取り込み刷新された統合開発環境
一方、DreamweaverもモダンなUIへの刷新と、生産性のさらなる向上が行われ、轟氏は「製品史上最大の進化」と表現した。過去にも64ビット対応や、Bootstrap搭載といった大きな変化があったが、さらに野心的な改良が行われている。
こちらもいくつか特徴的な機能を紹介する。
UIが他のAdobe Creative Cloud製品同様のダークUIに刷新し、レイアウトも整理され、コンテンツに集中しやすくなった。また、ツールバーは、自分でカスタマイズすることもできる。
生産性も、アドビがHTML5向けのテキストエディタとして開発し、オープンソースとして公開した「Brackets」の機能を取り込むことで、さらに向上した。例えば、別ウィンドウとして表示されていた検索機能は、同一画面で検索窓が表示されるようになり、文字を打ち込むたびに検索候補がリアルタイムに更新される、いわゆるインクリメンタル検索に対応した。
また、Bracketsで評判のよかったクイック編集の機能も実装されている。目的のタグを右クリックして「クイック編集」を選ぶことで、対応するCSSの情報をその場で確認でき、編集することもできる。色の設定ではカラーピッカーが表示される。
クイックドキュメント機能では、W3Cや主要ベンダーによってWebの仕様に関する情報の整備が進められているWebPlatform.orgから、関連情報を素早く調べることができ、ツール内で多くの仕事を完結できる。
コードヒントでは、CSSのmarginのようなショートハンドの指定を行う際に実際の上下左右の指定値が補足されたり、JavaScriptの入力時に保管候補として提示される関数にコメントが表示されたりするようになった。
CSSプリプロセッサのSassやLESSもサポートし、サイトの管理から個別に適用できる。前述のクイック編集にも対応しており、ファイルを保存すると即座にコンパイルされ、CSSに反映される。
また、DreamweaverにはNode.jsによるサーバーが組み込まれており、ファイルの保存やブラウザーのリロードを手動で行うことなく、CSSの編集内容をリアルタイムでブラウザに反映する「デバイスプレビュー」の機能を利用できる。
このようにUser Voiceという仕組みで現場の声を取り込みつつ、短期間のイテレーションで改良をし続けるアドビの新旧Web制作ツール群。引き続き、今後のさらなる発展を期待したい。