エンジニア人材サービスを展開するVSNは、小学生以下の子供を持つ10~40代の男女を対象に、「子どものプログラミング学習に関する意識調査」を実施した。小学校でのプログラミング授業を必要だと感じている人は48.5%にのぼった。その他、「子供が将来プログラマーやエンジニアになることに賛成か否か」「理想とするエンジニア・技術者」についても結果が公表されている。
訂正とお詫び
本記事で、調査を実施した会社の名前を「VSP」と記載しておりましたが、正しくは「VSN」です。訂正するととともに、読者の皆様ならびにVSN社の方々に深くお詫びいたします。(編集部)
文部科学省が2020年より小学校での「プログラミング教育の必修化」を検討していることを背景にした調査である。調査方法はインターネットリサーチ。小学生の子供を持つ10~40代の男女2,706名から回答が寄せられた。
調査方法 | インターネット調査 |
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調査地域 | 全国 |
調査対象 | 小学生以下の子供を持つ10~40代の男女 計2,706名 |
有効回答数 | 合計2,706サンプル |
調査日時 | 2016年9月12日(月)~9月15日(木) |
「小学校での「プログラミング授業」は必要だと感じますか」という質問に対して「はい」と回答したのは48.5%、「いいえ」と回答したのは17.9%だった。一方、「どちらでもない」という回答が33.6%もあったことから、その価値や影響などの判断がつきかねる層が多いことがうかがえる。
プログラミング授業が「必要」と回答した人が挙げるその理由については、次図のとおり。第1位の「未来のテクノロジーをさらに進化させて欲しい」は誰の/何のために進化させるのかが不明瞭だが、エネルギーの安定・安全な供給といった現代社会が抱える問題の解決を期待する、あるいは子供が持つ無限の可能性に夢を見る親の心理が働いての結果かもしれない。子供がプログラミングを学ぶ効果や理由として挙げられることの多い「論理的思考能力を身につけるために」は41%くらいと、ある程度の期待感というところだろうか。
「子どもが将来、プログラマーやエンジニアになることをどう思いますか」については、55.4%が賛成と回答。どちらでもない/わからないも34.7%おり、反対は9.5%にすぎないことから、「反対はしない」というのが本音と思われる。
「理想とするエンジニア・技術者」も尋ねている。第1位はスティーブ・ジョブズ氏。第3位のビル・ゲイツ氏との差は5%ほどだろうか。エンジニアといってもITとは限っていないようで、この2人を除けばIT業界の成功者ではない。その他の回答があったかどうかは不明だが、世間で有名なITエンジニアというのは少ないのかもしれない。ITではないが、ソニーの井深大氏などはランクインしてよさそうな気がする。
最後の「子どもが使用しているデバイスについてお答えください」という質問には、やはりというべきかスマートフォンが第1位。子供がスマホを「使いこなしている」「一部使いこなしている」と感じている人は40%を超えた。一方、PCについて「触らせたことがない」という回答が30%ほどある。家庭内にあっても仕事用であったり、スマホがあれば子供にとっては十分であったりという背景が想像されるが、そもそもPCがない家庭も少なくないと思われる。
エンドユーザーとしてのITリテラシーは、スマホやタブレットで十分学べるだろう。一方で、ITエンジニアとしての基礎知識は、PCを使わないと身に付けるのは難しい。スマホやタブレットは中身をいじる(ハックする)ことを基本的に禁じているマシンだからだ。小学校での「プログラミング教育の必修化」というのは、子供にPC、いわばむき出しのコンピュータに触れる機会を与えるという点でも重要かもしれない。
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市古 明典(編集部)(イチゴ アキノリ)
CodeZine編集部3年目の44歳。宝飾店の売り子、辞書専門編集プロダクションの編集者(兼MS Access担当)を経て、2000年に株式会社翔泳社に入社。月刊DBマガジン(休刊)、IT系技術書・資格学習書の編集を担当後、2014年4月より現職。9月から翌年2月まではNFL観戦のため、常時寝不足。...
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