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Microsoft AzureのNoSQLデータベース「Cosmos DB」を使ってみよう

Microsoft AzureのNoSQLデータベース「Cosmos DB」における実装方法を知る

Microsoft AzureのNoSQLデータベース「Cosmos DB」を使ってみよう 第3回

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Cosmos DB Emulatorのインストールとセットアップ

 続いて、Cosmos DB Emulatorを使用できるようにしていきます。

インストール

 Cosmos DB Emulatorのインストーラーは、Cosmos DB Emulatorの紹介ページから入手できます。

 バイナリ版とDocker版の2種類から選ぶことができますが、今回はバイナリ版からインストールします。

 ページの冒頭にある[Download MSI]のリンクをクリックすると、インストーラーのダウンロードが始まります。

図2 Cosmos DB Emulatorのインストーラーダウンロード画面
図2 Cosmos DB Emulatorのインストーラーダウンロード画面

 ダウンロードしたインストーラーにしたがって、Emulatorをインストールします。

 インストールが完了すると、ブラウザが起動してEmulatorのクライアント画面が表示されます。表示されない場合は、ブラウザを起動してhttps://localhost:8081/_explorer/index.htmlにアクセスしてください。

図3 Cosmos DB Emulatorのクライアント画面
図3 Cosmos DB Emulatorのクライアント画面

 画面左側に[Quickstart]と[Explorer]というメニューが表示されています。それぞれ、以下のことができます。

  • Quickstart:各言語(.NET, Java, Node.js, Python)向けのテンプレートがダウンロードできる画面
  • Explorer:Cosmos DB Emulatorに作成したデータベース・コレクション・ドキュメントを確認できる画面

 今回はアプリを一から作っていくためQuickstartは使用せず、Explorerだけを使用します。

認証キーの取得

 アプリからCosmos DBにアクセスするために必要な認証キーを作成します。コマンドプロンプトからリスト1のコマンドを実行することで、ファイルに認証キーが出力されます。

リスト1 Cosmos DBの認証キーファイルの作成
> cd C:\Program Files\Azure Cosmos DB Emulator
> CosmosDB.Emulator.exe /GenKeyFile=<保存先ファイル名>

 認証キーを作成したら一度Emulatorを停止し、認証キーファイルを指定して再度Emulatorを起動します。これにより、ファイル内に記載されている認証キーを使って、アプリケーションからCosmos DBにアクセスすることができるようになります。

リスト2 Cosmos DB Emulatorの停止と認証キーファイルを指定した起動
> cd C:\Program Files\Azure Cosmos DB Emulator
> CosmosDB.Emulator.exe /Shutdown
> CosmosDB.Emulator.exe /KeyFile="<認証キーファイルのフルパス>"

 以上でEmulatorの準備は完了です。

プロジェクトの作成

 それでは、ここからは実際にDocumentDB APIを使ってCosmos DBを操作してみましょう。

 Visual StudioといったIDEのプロジェクトの新規作成メニューから、[Console Application]を選択してプロジェクトを作成します。プロジェクト名は「TodoApplication」とします。

図4 プロジェクトの新規作成画面
図4 プロジェクトの新規作成画面

必要なライブラリの追加

 プロジェクトを作成したら、ライブラリを追加していきます。NuGetを使って「DocumentDB Client Library」と「JSON」のパッケージをインストールします。DocumentDB APIのドキュメントの形式はJSONのため、オブジェクトの変換に「JSON」を利用します。

リスト3 NuGetコマンド
PM> Install-Package Microsoft.Azure.DocumentDB
PM> Install-Package Newtonsoft.Json

接続情報の設定

 次に、Cosmos DBの接続情報を「App.config」に追加していきます。「authKey」の値には、先ほど作成した認証キーを設定してください。

リスト4 接続情報の追加(App.configファイル)
  <appSettings>
    <add key="endpointUrl" value="https://localhost:8081/" />
    <add key="authKey" value="認証キー" />
    <add key="databaseId" value="DemoDb" />
    <add key="collectionId" value="TodoCollection" />
  </appSettings>

 プロジェクトに、新しく「DocumentRepository.cs」というクラスを作成します。このクラスにCosmos DBへのデータアクセス機能を集約します。

 まずは「App.config」に設定した接続情報を読み込み、Cosmos DBとやり取りを行うクライアントオブジェクトを生成しましょう。

リスト5 接続情報の読み込み(DocumentRepository.cs)
public class DocumentRepository
{
    // Cosmos DBのURL
    private static readonly string EndpointUrl = ConfigurationManager.AppSettings["endpointUrl"];

    // Cosmos DBの認証キー
    private static readonly string AuthKey = ConfigurationManager.AppSettings["authKey"];

    // データベース名
    private static readonly string DatabaseId = ConfigurationManager.AppSettings["databaseId"];

    // コレクション名
    private static readonly string CollectionId = ConfigurationManager.AppSettings["collectionId"];

    // DocumentDB APIのクライアントオブジェクト
    private static DocumentClient client;

    public static void Initialize()
    {
        // DocumentDB APIクライアントのインスタンスを生成
        client = new DocumentClient(new Uri(EndpointUrl), AuthKey);
    }
    ・・・

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データベースの作成

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この記事の著者

WINGSプロジェクト 秋葉 龍一(アキバ リュウイチ)

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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