APIが手軽に試せて、使える! デモではダッシュボードを作成
あらためて「Rakuten RapidAPI」とはどのようなサイトか具体的に見ていこう。サイトのインターフェースはとてもシンプルで、開発者が求める機能がそろっている。
サイトを開くと画面上部に検索バーがあり、画面中央にあるAPIリストでは提供元、説明、利用者数が並び、APIの概要を知ることができる。利用者数からある程度の信頼性や実績を推測できる。
いずれかのAPIを開くと、APIの概要や機能のテスト、ドキュメント、料金プラン一覧など必要な情報が表示される。提供元ごとに調べる必要がなく、日本語で表示され、テストや設定も「Rakuten RapidAPI」からできてしまうのだ。パフォーマンスやコストも管理できて、API提供元が多数に分かれていても請求は月に一度。これはかなりうれしいのではないだろうか。APIの接続ポイントもRakuten RapidAPIにまとめることができる。
APIプロバイダにもメリットがある。すでに登録ユーザーは50万人、今後は日本市場への進出でさらなる増加が見込まれる。リーチを大きく広げることができるだろう。提供の手間も軽減できそうだ。「Rakuten RapidAPI」ではAPI料金を自由に設定できて、請求や支払い対応なども行えるため、API提供にかかる労力を軽減できる。またAPIプロバイダにはユーザー管理やAPIパフォーマンスを監視する専用画面が提供される。
実際にどれだけAPIの検索と利用が簡単にできるか、使い勝手をソウ氏がデモで見せた。作成するのは現在地をもとにしたダッシュボード画面。現在地の都市名、天気、主要ニュース、背景画像、これら全てをAPIで取得してダッシュボード画面に表示する。
まずは現在地。IPアドレスから都市名を取得するAPIを検索し、候補から「IPInfo.io」を選んだ。[機能]タブを開くと、設定方法の説明や言語ごとのサンプルコードが表示され、どのようなレスポンスが返ってくるかを確認できる。
一般的にAPIを使う時は、API提供元にアクセスし、ユーザー登録など必要な設定を行う必要がある。そうした事前準備や設定手順が「Rakuten RapidAPI」で案内されている。登録を済ませてAPIキーを取得したら、「Rakuten RapidAPI」のAPI検証ペインに入力し、APIを通じて必要な情報(戻り値)が得られるかをサイト上で確認できる。画面右にはAPIキーも含めたサンプルコードが表示されるため、開発者は確認ができたらサンプルコードをそのまま自分のプログラムにコピー&ペーストすればいい。
天気は「AccuWeather」、背景画像は「Unsplash」、ニュースは「Bing News Search」をそれぞれ選んだ。ソウ氏によると「AccuWeather」は情報が多く、「Unsplash」はかっこいい写真素材が提供されるそうだ。同じ目的でもAPIにより、戻り値となる情報の鮮度や豊富さなどが多少異なる。いろいろと試してみて、好みのAPIを探すのも楽しそうだ。できあがったダッシュボードがこちら。
ソウ氏は「見てわかる通り、ほとんどがコピー&ペーストでできます」と簡単に開発ができることをアピールした。わずか15分足らずで、APIを利用する部分ができてしまった。
Rakuten RapidAPIにユーザー登録すると、利用APIを一元管理できるダッシュボードが利用できる。どれだけコールしたか、レイテンシーやエラー、そして大事な利用料金の統計情報を確認できる。APIごとの利用料金がリスト表示されるページもある。
先述した通り、日本のAPIプロバイダからのAPI登録はこれからだ。ミッチェル氏は「日本やアジアには多くのAPIプロバイダがいます。日本のAPIが登録されたら、提供API数はさらに増えるでしょう」と話す。日本のニュースメディアや銀行、あらゆるAPIがここに登録されたら、APIがより簡単に利用できるようになる。プロフェッショナルの開発者の開発効率を高めるだけではなく、子どもも含めて初心者でもAPIが手軽に利用できるようになり、開発の敷居を下げることにもつながりそうだ。
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