テーマは「Next LINE」、50以上のセッションを用意
回を重ねるごとに、規模を拡大している同イベント。昨年はライトニングトーク(LT)を含め39セッションを用意し、1000人を超える参加者が集まったという。今回は大小合わせ50以上のセッションを企画するなど、パワーアップしている。
今回のテーマは「Next LINE」。実は過去3回では対外的なテーマは掲げていなかったが、今回、テーマを掲げたのには理由があると言う。それは、LINEがプロダクトとしてはすでに完成されたものだと思われがちで、LINEの新たな挑戦や目指すビジョンなどが現状では伝わりにくいからだ。
LINEはAIアシスタント「Clova」をはじめとするAI領域、Fintechなどの金融事業、ブロックチェーン技術を活用したネットワーク・サービス展開など新たな領域に進出している。また、すでに多くのユーザーが日常的に利用するコミュニケーションアプリ「LINE」も新しい機能追加やさまざまな改善が常に繰り返されている。
「DEVDAYはLINEの新たな技術領域におけるチャレンジや、それを支えるLINEエンジニアの技術的知見や経験、挑戦を発表できる場にしたい」(桃木さん)、「どんどん新しいことに取り組んでおり、そこにかなり投資をしている。そこをしっかり伝えたい」(櫛井さん)、「日本だけではなく海外拠点も力を合わせて開発しており、グローバルレベルで新しいプロダクトが次々と具体化している。そういった現在のLINEの姿を知ってもらいたい」(三木さん)というように、このテーマには3人の熱い思いが込められている。
テーマの設定だけではない。「1日いても飽きないようなイベントづくりをしている」と櫛井さんは明かす。メイントラックと3つのサブトラック、カフェスペースに併設されるLTトラック、それに今年はポスターセッションの6ラインが並行して実施されるという。
メイントラックは400人以上が入るホールAで実施。3つのサブトラックはそれぞれ定員100人前後とメイントラックと比べると小規模だが、「幅広い技術分野のエンジニアが登壇し、専門的で深い内容が語られる」と三木さん。「新たな領域として具体的なキーワードを挙げるとすると、AI、Fintech、ブロックチェーンなど」と櫛井さん。
昨年発表および提供開始し、今年7月には開発環境が公開された「Clova」のAI領域、今年の「LINE CONFERENCE」でも大きく取り上げた「LINE Pay」をはじめとする金融事業領域(Fintech)、そして先日今後の構想やdAppサービスを発表したブロックチェーン領域、それらの技術的な取り組みやロードマップなどを紹介する予定だという。
他にも、ビッグデータ、広告、インフラ、機械学習、IoTなど、さまざまな技術的取り組み・挑戦が語られるという。また、LINEのMessaging API(LINE Bot)やClovaスキルの外部開発事例や新機能解説が重点的に行われるトラックや、海外拠点の取り組みに特化したトラックもあり、多彩なセッションが準備されている。
昨年初めて実施し、好評だったLTに加え、今年から新たな試みとして実施するのがポスターセッションだ。実はこの2種類のセッションには、「LINEのエンジニアたちが参加者とより近づき、気軽にコミュニケーションもしてほしい」(櫛井さん)という強い思いが込められている。
新たな試みはこれだけではない。今回、社内のエンジニアに呼びかけたセッションの公募もその一つだ。「これまでは私たちが伝えたいテーマを選んでセッションを構成してきた。しかし今回は現場の人たちに話したいことを聞いてみたいと思い、公募という形をとりました」(櫛井さん)
応募件数は約130件。「予想以上に集まった」と嬉しい悲鳴を上げる3人。当日は選抜され、磨かれたネタが各トラック、LT、ポスターセッションで披露されるというわけだ。