MVVMパターン
電卓アプリを起動するコードがこのように複雑なのは、MVVMパターンを採用しているからです。新機能を追加するときも、View/View Model/Modelのそれぞれにコードを追加しなければならないので作業が面倒です。なぜこのような構造にするのでしょう?
MVVMパターンのようなUIとロジックを疎結合にする構造には、いろいろなメリットが言われています。その中でも筆者が気に入っているのは、UIの一部(MVVMならView Model)も自動化されたユニットテストの対象にできることです。電卓アプリでもCalculatorUnitTestsプロジェクトには、例えばView ModelのDateCalculatorViewModelをテストするDateCalculatorUnitTestsなどがあって、View Modelのかなりの部分をユニットテストできるようにしています。アプリの各部の仕様をユニットテストで「固定していく」(壊されないように押さえ込んでいく)という作り方は、大規模で複雑なアプリになるほど有効になってきます。
とはいうものの、MVVMパターンのコードを書くのは面倒なものです。そんなときはMVVMパターンを使ったフレームワークを使ってみましょう。C#であれば、以前に紹介した「Windows Template Studio」(次の画像)を使うと、後からUIの追加なども簡単にできて便利です。
まとめ
オープンソース化されたWindowsの電卓アプリのコードを、今回は簡単に紹介しました。C++/CXで書かれているのでC#やVBで開発している人にとっては取っ付きにくいかもしれませんが、とても参考になるものです。自分が欲しい機能などを追加してみると、もっと理解が深まると思います。次回は、簡単な機能を追加してみる予定です。
UWPアプリに興味が湧いてきた人へ
Windowsデスクトップ用アプリの開発はWindows Formsなら経験があるけど、ちょっとUWPアプリ開発も気になってきたという方へ。ぴったりの電子書籍を書きました!
『UWP アプリ開発 101 第2版: Windows Forms 開発者のための C# / XAML による UWP アプリ開発入門』 (BluewaterSoft 2017/7/1)
・Kindle版とUWPアプリ版があります。
・どちらも無料で最初の方を読めるので、とりあえず試し読みをしてみてください。
また、Microsoft公式のチュートリアルやたくさんのサンプルコードなどもあります。UWPアプリの開発環境を整えてUWPアプリのプロジェクトを作れるようになったら、これらのドキュメントやサンプルも参考にしてみてください。