SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

Vista時代のプログラミングモデル .NET Framework 3.0入門

WCF(Windows Communication Foundation)チュートリアル 前編

Vista時代のプログラミングモデル .NET Framework 3.0入門 (3)


  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

WCFを使ったサンプルの実装 1

 では早速WCFを使った通信のサンプルを実装してみましょう。

サンプル概要

 今回は先ほど上げた会員情報を扱うサービスのサンプルを実装します。

 サービス提供側に2つのプロジェクト、クライアント側に1つのプロジェクトを作成します。

 なお、サービス提供側とクライアント側は別ソリューションとして作成します。

作成するプロジェクト
プロジェクト 概要
WCFMemberServiceLibrary 会員情報サービスのコントラクト定義および実装
WCFMemberServiceGUI 会員情報サービスをホスティングするWindowsアプリケーション。サービス提供のための「ABC」はこのプロジェクトのapp.configに定義する
WCFSampleClient 会員情報サービスを使用するクライアントアプリケーション。サービス利用のための「ABC」はこのプロジェクトのapp.configに定義する
各プロジェクトの関係
各プロジェクトの関係

 最初は通信方式としてWebサービスBasic-Profileを使用して実装し、その後TCPへと切り替えてみましょう。

WCFサービスのホスティング方法
 なお、WCFサービスは
  • アプリケーションによるホスティング
  • IISによるホスティング
の2つの方法でホスティングすることができます。今回はアプリケーションによるホスティングを使用します。IISによるホスティングは後編にて扱います。

WCFMemberServiceLibraryプロジェクトの実装

 まず、会員情報サービスを実装する「WCFMemberServiceLibrary」プロジェクトから作成しましょう。

 Visual Studio 2005を起動し、新しいプロジェクトを作成します。Visual Studio 2005 Extensions for WCFが正しくインストールされていれば、プロジェクトの種類として[.NET Framework 3.0]というカテゴリが追加されているはずです。今回は[WCF Service Library(WCF)]を選択し、「WCFMemberServiceLibrary」という名前でプロジェクトを作成します。

新しいプロジェクトの選択
新しいプロジェクトの選択

 新しいプロジェクトを作成すると、自動的に「class1.cs」というファイルが作成され、WCFサービスのひな型が定義されます。このファイルのコメントには、WCFサービスを完成させるまでの手順が記されていますので、興味のある方は確認してみてください(ただし記述内容は英語です)。

 今回はこのひな型を削除し、新たなコントラクト定義を追加しましょう。Visual Studio 2005メニューより[プロジェクト]-[新しい項目の追加]を実行し、[WCF Service]を選択して「SampleService.cs」を作成します。

サービスクラスの作成
サービスクラスの作成

 このファイルにサービスを実装していきます。サービス・コントラクトは先ほどのISampleServiceインターフェイスを実装します。同様にデータ・コントラクトはMemberクラスを使用します。実際の処理はISampleServiceインターフェイスを実装したSampleServiceクラスに記述します。

サービス実装
public class SampleService : ISampleService
{
    static Dictionary<int, Member> members
      = new Dictionary<int, Member>();
    public void addMember(Member member)
    {
        members[member.Id] = member;
    }

    public Member getMember(int memberId)
    {
        return members[memberId];
    }
}

 ここでは会員情報サービスの簡易な実装としてDictionaryクラスを使い、addMemberメソッドとgetMemberメソッドを実装しています。会員IDをキーに会員情報の格納・取得を行っています。詳細はサンプルをダウンロードしてソースコード(WCFMemberServiceLibrary/SampleService.cs)をご覧ください。

 これでサービス本体の実装は完成です。いったんビルドしておきましょう。

次のページ
WCFを使ったサンプルの実装 2

この記事は参考になりましたか?

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
Vista時代のプログラミングモデル .NET Framework 3.0入門連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト 土井 毅(ドイ ツヨシ)

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/1157 2008/08/19 17:24

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング