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Vista時代のプログラミングモデル .NET Framework 3.0入門

WCF(Windows Communication Foundation)チュートリアル 前編

Vista時代のプログラミングモデル .NET Framework 3.0入門 (3)


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WCFを使ったサンプルの実装 3

 今回はWebサービスを介してコントラクトのメタデータを提供しますので、その設定も行いましょう。この設定は、サービス・ビヘイビア(Service Behavior)として作成します。

ビヘイビアとは
 WCFには重要なキーワード「ABC」に加え、ビヘイビアという概念があります。
「ABC」はサービス提供側・クライアント側で共有する情報ですが、ビヘイビアはどちらか片方の挙動を指定するための設定項目です。この場合は、「Webサービスにコントラクトについてのメタデータを含めますよ」というサービス提供側のみで使用する情報を、ビヘイビアとして定義しています。
ビヘイビア設定画面
ビヘイビア設定画面

 [Advanced]-[Service Behaviors]より「New Service Behavior Configuration」を実行します。

ビヘイビアの作成
ビヘイビアの作成

 画面右下の[Add]をクリックし、ビヘイビア要素を追加します。

ビヘイビア要素の追加
ビヘイビア要素の追加

 [serviceMetadata]を選択し、[Add]をクリックします。

serviceMetadataの設定変更
serviceMetadataの設定変更

 [Advanced]-[Service Behaviors]-[NewBehavior]-[serviceMetadata]をクリックし、[HttpGetEnabled]の値を"True"にします。

HttpGetEnabledプロパティ
 HttpGetEnabledプロパティは、HTTP通信にてメタデータを取得可能とするかどうかを表すプロパティです。このプロパティをFalseにする、あるいはserviceMetadataビヘイビアを指定しない場合は、HTTP経由でメタデータを取得することができません。
今回はクライアント側でメタデータから「ABC」を取得するため、このプロパティをTrueにしました。
サービスへのビヘイビアの指定
サービスへのビヘイビアの指定

 [Services]-[WCFMemberServiceLibrary.SampleService]をクリックし、[BehaviorConfiguration]の値として、ドロップダウン一覧から「NewBehavior」を選択します。

 これで「ABC」の指定は完了です。[File]-[Save as]から、「WCFMemberServiceGUI」プロジェクトのフォルダの「app.config」として保存してください。

作成されたapp.configの内容(HTTP版)
<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
<configuration>
  <system.serviceModel>
    <behaviors>
      <serviceBehaviors>
        <behavior name="NewBehavior">
          <serviceMetadata httpGetEnabled="true"/>
        </behavior>
      </serviceBehaviors>
    </behaviors>
    <services>
      <service behaviorConfiguration="NewBehavior" 
name="WCFMemberServiceLibrary.SampleService">
<endpoint address="http://localhost:8080/MemberService"
binding="basicHttpBinding"
contract="WCFMemberServiceLibrary.ISampleService"
listenUriMode="Explicit">
</endpoint> </service> </services> </system.serviceModel> </configuration>

 その後、Microsoft Service Configuration Editorを終了させます。「WCFMemberServiceGUI」プロジェクトを右クリックし、[追加]-[既存の項目の追加]より、今保存した「app.config」をプロジェクトに追加してください。

Microsoft Service Configuration EditorとVisual Studio 2005の連携
 Microsoft Service Configuration EditorとVisual Studio 2005の連携はあまり進んでおらず、保存した構成ファイルをVisual Studio 2005のプロジェクトに手動で追加しなければなりません。また、ファイルを開く際にも、今開いているプロジェクトの構成ファイルが自動的に読み込まれるわけではないなど、ベータ版らしい脇の甘さが見られます。
次世代Visual Studio(コードネームOrcas)でもっと簡単に扱えるようになることを期待しましょう。

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WCFを使ったサンプルの実装 4

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト 土井 毅(ドイ ツヨシ)

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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