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エンジニアとしてFinTechに携わる社会意義・醍醐味とは?――決済業界のエキスパートに聞く

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 金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語「FinTech」は、その言葉どおり、最新技術を活用した新しい金融サービスである。そのためFinTechと一口に言っても、決済サービスはもちろん、資産運用、融資・ローン、さらにはクラウドファンディング、仮想通貨までと非常に幅が広い。そんな数あるFinTech企業の中で、決済サービスを主力としているのがGMOペイメントゲートウェイで、クレジットカード決済やコンビニ決済など、さまざまな決済方法を選択できる通販・ECサイト向けの総合決済サービス「PGマルチペイメントサービス」を展開している。同サービス立ち上げから携わったGMOペイメントゲートウェイ システム本部 R&D担当の駒井直氏に、FinTech業界でエンジニアとして働く面白さ、やりがいなどについて話を聞いた。

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決済処理サービスを提供するGMOペイメントゲートウェイ

 GMOペイメントゲートウェイの創立は1995年。カタログ通販のクレジットカード決済処理サービスの提供からスタートした事業は、ネットショッピングの拡大と共にオンライン決済サービスの提供を開始。現在はネットショップをはじめとするオンライン事業者、公共料金や税金の支払いなどを含め10万店舗以上の加盟店に向け、クレジットカード決済やコンビニ、キャリア決済などさまざまな決済サービスを提供している。

 現在、システム本部R&D担当として、ビジネス部門と共に新規ビジネス立ち上げのシステム面での支援や実装、さらにはサービス横断の技術支援などを担当している駒井氏は、GMOペイメントゲートウェイに入社して約10年、長くFinTech業界を見てきたエキスパートだ。

 「PGマルチペイメントサービスの立ち上げ期は、設計やコーディングなどはもちろん、サービスのアラーム対応、プリセールスの同行、サポートのエスカレーション、業務や法務の調整など、職務はエンジニアでしたがサービスに関わることならなんでもやっていました」と駒井氏は当時を振り返る。

GMOペイメントゲートウェイ システム本部 R&D担当 駒井直氏
GMOペイメントゲートウェイ システム本部 R&D担当 駒井直氏

 当時は現在と比べて陣営も小さく、エンジニアである駒井氏も自身の専門領域を超えて多様な業務を遂行する必要があったが、現在はシステムの組織も専門性ごとこに細かい単位で構成され、質量ともに向上したことでグループの年間決済処理金額は5兆円を超えるまでに成長している。

FinTechに携わる魅力とは

 10年間、FinTech業界の成長を見てきた駒井氏は、転換点となる大きなトピックスがあったわけではなく、常に変わり続けてきた結果が今だと言う。

 常に変化し続けてきたFinTech業界の近年の変化の1つが、「従来、金融決済サービスはクローズドなプロ向けで、一般の人たちには敷居が高くてなかなか入れない分野でした。しかしStripeのように海外から新たなサービスが国内市場に参入したことで、決済サービスを使ってみたい人は以前よりも簡単にWebからサインアップしてすぐコーディングが始められる世界になりました。急速にプロと一般の壁がなくなってきています。これまでのようにプロ向けのサービスであれば、機能面の充実さが優先され、UIの優先度はその次に置かれていましたが、今はそういうことがまったく通用しなくなりました。これは大きな変化だと思います」と語る。

 常に変化し続けている業界に身を置くことは、エンジニアとしての醍醐味であることは間違いないが、そのほかにも、エンジニアとしてFinTech業界に携わる魅力は「たくさんあります。その1つが責任の大きさです」と駒井氏は明かす。

 GMOペイメントゲートウェイは決済サービスを提供している。万一、同社のサービスにトラブルが発生し、サービスが止まってしまうと、同サービスを使っている加盟店のビジネスを止め、エンドユーザーにまで影響がでることになる。

 「その責任感の大きさを感じると共に、私たちのサービスが世の中を支えているんだという充実感、これが裏方としての面白みなんです」と駒井氏は続ける。

 第二の魅力は多種多様な業種・業界の事業者と接することができること。同社の場合、年間決済処理金額は5兆円と、サービスを利用する加盟店も多く、「CtoCのマーケットプレイスを営んでいる加盟店様をはじめ、旅行業や保険業などさまざまなカルチャーの加盟店様と接することができます。これが決済サービスのプラットフォーム事業を展開している企業のやりがいでもあり、難しさです」と駒井氏は語る。

 多種多様な加盟店と接することでどのような難しさがあるのか。近年、加盟店から増えているのが、「決済サービスをつなぐAPIをもっとモダンにしてほしい」といった要望だ。だがその一方で「APIを変えられたら困る」という声も当然届く。

 「このような正反対の声が届いている中で、私たち開発者としても、今風にガラっと変えたいという思いもありますが、最大公約数を取って開発を進めていかねばなりません。そこが難しいところですね」(駒井氏)

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業界におけるGMOペイメントゲートウェイの強み

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この記事の著者

中村 仁美(ナカムラ ヒトミ)

 大阪府出身。教育大学卒。大学時代は臨床心理学を専攻。大手化学メーカー、日経BP社、ITに特化したコンテンツサービス&プロモーション会社を経て、2002年、フリーランス編集&ライターとして独立。現在はIT、キャリアというテーマを中心に活動中。IT記者会所属。趣味は読書、ドライブ、城探訪(日本の城)。...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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