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自分自身で課題を解決するDX事例紹介

作図って大変? AWSシステム構成図生成アプリで作図作業を効率化しよう

自分自身で課題を解決するDX事例紹介 第7回

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図生成アプリの始め方と動作環境

 ここから図生成アプリを紹介します。図生成アプリはHTML形式のファイルなので、アプリのインストールは不要です。また、Webサーバーも必要ありません。GitHubからソースをダウンロードし、図生成アプリ(AWS-Diagram_02フォルダ配下のAwsDiagram_02.html)をChromeブラウザで開くと使用できます。

 Windows10上のChromeブラウザで動作することを確認します。Microsoft Edgeブラウザでも動作しましたが、Firefoxブラウザには対応していません。外部通信がないためオフライン環境でも動作します。

図生成アプリの使い方

基本操作

 図生成アプリは、Diagram as Code(図をコードで管理する)という概念をベースにしています。そのため、図に必要な情報は以下のようにJSON形式のテキストファイルに記載します。

図6:JSONファイルの例
図6:JSONファイルの例

 図生成アプリを起動し、作成したJSON形式のファイルを読み込むと作図が完成します。

図7:JSONファイルを読み込み作図する手順
図7:JSONファイルを読み込み作図する手順

接続線の表示/非表示

 ネットワークの通信経路などアイコン同士のつながりの表示/非表示が可能です。作図の左側にある通信経路の種類をクリックすると表示/非表示が切り替わります。

図8:通信経路の表示/非表示
図8:通信経路の表示/非表示

図の拡大/縮小

 マウスホイールで拡大/縮小します。

図9:マウスホイールで図の拡大/縮小
図9:マウスホイールで図の拡大/縮小

図の移動

 マウスドラッグで図を移動します。

図10:マウスドラッグで図の移動
図10:マウスドラッグで図の移動

 JSONの記載方法など詳細については、GitHubのreadme.mdをご覧ください。

図生成アプリによる課題対策

 先ほど紹介した以下2つの課題(バランス調整が大変、余白がない時の調整が大変)に対し、図生成アプリによりどのように対策をとるのかを紹介します。

「課題1 バランス調整が大変」への対応

 配置するアイコンの位置やサイズは数値情報としてJSONファイルに記載しています。そのため、図生成アプリでのバランス調整はJSONファイルの情報を変更するだけです。

「課題2 余白がない時の調整が大変」への対応

 図生成アプリはシートサイズが無限なので余白がなくなることはありません。また、図を拡大/縮小する際は、フォントサイズも同時に拡大/縮小するためバランスが崩れることはありません。

図生成アプリで作成した図を紹介します

 図生成アプリで作成したAWS構成図を紹介します。予想以上に楽に作図できたのでいろいろかいてみました。紹介する図は全てGitHubに格納しています。

信頼性の高いWebサーバーの構成図

 AWSで信頼性の高いWebサーバーの構成図です。サーバーやデータベースを地理的に離れたデータセンターに配置することで信頼性を高めています。余談ですが、EC2(仮想サーバー)をサーバーレスにするなど、より信頼性を高くする工夫もできます。

図11:信頼性の高いWebサーバーの構成図
図11:信頼性の高いWebサーバーの構成図

LINE BotのAWS構成図

 LINE BotのAWS構成図です。第3回で作成したシステムの構成図をかきました。

図12:LINE BotのAWS構成図
図12:LINE BotのAWS構成図

VPCピア接続のAWS構成図

 VPCピア接続のAWS構成図です。通信経路ごとに線の色を変えました。

図13:VPCピア接続のAWS構成図
図13:VPCピア接続のAWS構成図

 最初に紹介した信頼性の高いWebサーバーの構成図を更新し、ログ収集や開発環境、コード管理の仕組みを追記しました。個人的な感想ですが、このような追記をPowerPointで行うよりも少ない時間でできたので、とても便利です。

図14:信頼性の高いWebサーバーのAWS構成図に追記
図14:信頼性の高いWebサーバーのAWS構成図に追記

まとめ

  • 今回は作図時間を短縮するためAWSシステム構成図生成アプリ(図生成アプリ)を作りました。
  • 図生成アプリは、インストールもWebサーバーも不要で手軽に使用できます。
  • 図生成アプリにより作図での課題が対策できたので、作図作業が楽になりました。

 より詳細な情報を表示したり、画像出力の機能を追加したりと、改良するかもしれません。また、HTMLとJavaScriptだけでアプリが作れることがわかったので、これからはどんどん便利ツールを作っていきたいと思います。 

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この記事の著者

周防 壮史(スオウ タケフミ)

 クラウドサービスAWSを使いインフラの設計/構築などをするインフラエンジニア。アイディアを形にしたくなり、プロトタイピング専門スクール「プロトアウトスタジオ」の2期生として入学する。卒業後も個人開発を進めアウトプットを続けている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/14516 2021/08/02 11:00

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