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プロの開発者こそローコード開発ツールを活用しよう!「FileMaker」完全ガイド(AD)

FileMakerプラットフォームと外部システムを連携する3つの手法

プロの開発者こそローコード開発ツールを活用しよう!「FileMaker」完全ガイド 第3回

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他システム間連携はアイデア次第で無限の可能性が広がる

 最後に、今回ご紹介した各連携機能を使って実装した、とある営業案件管理システムの事例についてご紹介します。

システム化要求:
  1. FileMakerで構築した営業案件管理システムから、メーラーを介在せずに直接見積書を見込み客に送信したい。
  2. 見込み客が見積書をダウンロードしたら、すぐにその旨を担当営業にChatworkで通知したい。
  3. 顧客が見積書をダウンロードした履歴を案件管理システムに記録したい。
  4. 送信した見積書が一定時間以上経過してもダウンロードされない場合、担当営業にアラート通知したい。

 見積書のダウンロード直後に担当営業にその旨を通知したい背景は、見込み客が見積書を開いたその瞬間に電話でフォローすることで、成約率を飛躍的に高める効果があるためです。

 以下、この要件を実現したときの、ユーザの操作とシステムの振る舞いを時系列に解説します。

  1. 担当営業者はFileMakerの営業案件管理システムで見積書を作成し、見積書送信ボタンをクリックする。
  2. FileMakerは、見積書をPDFファイルとしてローカルデバイスのテンポラリフォルダに出力。その後、Dropbox APIを実行して、PDFファイルをDropboxの任意のフォルダにアップロードする。
  3. FileMakerは、HTMLメールを該当案件の見込み客に送信する。

 まずここまでで、営業担当者の操作は一旦完了します。HTMLメールを送信しますが、営業担当者は一般的なメーラーアプリは一切使用しません。

 次に、HTMLメールを受け取った見込み客のオペレーションを解説します。

  1. 見込み客は、HTMLメール内に埋め込まれた「ダウンロードボタン」をクリックする。このダウンロードボタンは、AWS上にデプロイされているWeb API(以下、Lambda API)を実行する。
  2. Lambda APIは、パラメータの設定値に応じて、Dropboxに保存されているPDFファイルを見込み客のローカルデバイスにダウンロードする。
  3. Lambda APIは、FileMaker Data APIを実行し、見積書がダウンロードされた旨を営業案件管理システムに通知する。
  4. FileMaker Data APIを用いて実行されたスクリプトは、見積書のダウンロード日時を案件レコードに記録し、同時に営業担当者へChatworkで見積書がダウンロードされた旨を通知する。

 見込み客はHTMLメールに埋め込まれたダウンロードボタンをクリックするだけですが、裏側ではこれだけの機能が実行されます。文字だけの説明では、イメージしづらいかもしれません。以前作成したこのアプリケーションの解説動画があるので、ご興味のある方はぜひご確認ください。

 このように、今回ご紹介した他システム連携の機能を使いこなすと、非常に難易度が高く、ビジネスとしても付加価値の高い機能を、ローコード開発プラットフォームならではの開発生産性を活かして短時間で実装することができます。

まとめ

 今回は、FileMakerプラットフォームで用意されている他システム連携手法にフォーカスして、その魅力をお伝えしてきました。FileMakerプラットフォームを愛する一技術者としては、各連携手法の詳細な説明や数多くの実装事例、そしてシステム間連携では避けることのできない「思わぬ落とし穴」などお話したいことは山々ですが、今回は概要だけを説明しました。

 次回は、FileMaker 19より追加された機能の中から、更に強化されたJavaScriptとのマッシュアップを活用した、高度な操作性を持つユーザインタフェースの構築方法について解説したいと思います。

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この記事の著者

岩佐 和紀(イワサ カズキ)

 1973年、宮崎県出身。現在は長野県長野市に在住。 BMWジャパンやDOLCE&GABBANAジャパンといった外資系企業、及び東証一部上場企業において、情報システム部門の立ち上げから基幹システムの企画・開発・運用まで幅広い経験と実績を持つ。 2006年にフリーエージェントのITコンサルタントとして...

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