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LeSSやSAFeなど、大規模アジャイルにおけるソフトウェア品質の課題とは?

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 変化が激しく、将来が予測しづらい不確実な時代において、システム開発の現場ではここ数年、アジャイル開発を採用することが多くなっています。さらに、従来であれば1年以上をかけて開発していた製品を、数週間から数か月の頻度で段階的、定期的にリリースする大規模アジャイル開発の取り組みも増えています。一方で、開発のスタイルが変わろうとも、競争がますます激しくなる市場において、品質がビジネスの成否を左右する重要な要素であることにも変わりはありません。アジャイル開発の中で品質を保つにはどうすればよいのでしょうか? 本記事では、製品の品質を支えるソフトウェアテスト活動において、特に大規模アジャイル開発では通常のアジャイル開発と比べてどのような課題が顕在化しやすいかを明らかにした上で、それに対する解決アプローチをご紹介します。

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大企業へのアジャイル開発の浸透と大規模アジャイル開発

 スタートアップ企業から広がったアジャイル開発はいまや、効率的、効果的なビジネスを指向する大企業でも実践されるようになっています。そんな中で、スクラムで規定されるような10人程度の小さなチーム単独で製品を開発するのではなく、より大きな規模のチームで、より大きな製品を、高い頻度で段階的かつ定期的にリリースしたいという開発のニーズが出てきました。このニーズを満たすためのものが大規模アジャイル開発で、やはりさまざまな手法や方法論が提唱され、実践されています。例えば、チーム規模を1チームから徐々に増やしていくケースに適した「LeSS(Large-Scale Scrum)」や、最初から大きな製品を複数のチームで開発するケースに適した「SAFe(Scaled Agile Framework)」などです。

 これらの大規模アジャイル開発の手法には、チームの体制面やプロセス面で下図のような共通した特徴があります。

※図内のチームアイコンはscrum.orgより引用

※図内のチームアイコンはhttp://www.scrum.orgより引用

 実際の開発作業を行うチームは、通常のアジャイル開発と同じように、アジリティ(敏捷性、機敏などの意味)を維持するため10人程度の少人数で構成されます。

 開発の際には、企画チームが要件を一つの開発チームでさばける粒度に分割し、それらを各開発チームが並行して開発に当たります。一定の期間が経過すると、各開発チームによって仕上げられた成果が集められ、統合チームがそれらを統合してテストを実施します。当然のことながら、アジャイル開発は1回実施すれば終わりではなく、一定期間に開発を繰り返すスタイルのため、統合チームも開発チームと同じ間隔で、この統合・テスト活動を繰り返し行うことになります。

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この記事の著者

朱峰 錦司(株式会社ベリサーブ)(アケミネ キンジ)

 東京工業大学 大学院情報理工学研究科にて計算工学を専攻し修了。その後、2009年より大手SIerにて、ソフトウェアテストやアジャイル開発に関する研究開発や研究開発成果の顧客向けの普及展開活動・案件適用支援に従事。2021年に株式会社ベリサーブに入社。ベリサーブが展開するQualityForward...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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