コンテナは今や当たり前に要求される技術
2021年4月、IDC JapanはコンテナとKubernetesの導入状況に関する調査結果を発表した。その調査によると、約4割の企業・組織がコンテナを「導入済み」「導入準備中」と回答。このことから、国内においてはすでにコンテナは当たり前に要求される技術になりつつあるという。
コンテナがこれほどまでに普及している背景にあるのが、開発サイクルの高速化だ。いかに顧客の要望に迅速に対応し、安全なシステムを構築できるかが企業価値につながる。環境構築が容易かつ迅速に行えるコンテナを採用する理由はそこにある。
現在、SB C&SでDevOpsを推進するエンジニアとして、Springについて積極的に発信している佐藤氏も「私自身もそうでしたが、環境構築を苦手にしている開発者は多い」と言う。なぜなら環境構築にはインフラ寄りの知識が必要になるからだ。
佐藤氏は新卒で入社したIT企業で約8年半、Javaによる基幹システムの開発に従事。メインはコーディングだが、顧客と打ち合わせして要件を定義したり、リリースした後の保守運用にも携わったりするなど、一人でDevからOpsまで経験したという。それでも「試験が始まるから新しく試験の環境を作ってほしいなど言われても、何から手をつければ良いのか、工数がどのくらいかかるのかわかりませんでした。また構築したものが本当に妥当なのかわからず、その積み重ねが苦手意識を増幅させていくのだと思います」と佐藤氏は話す。
だが、コンテナを使えば、開発者が苦手とする環境構築が一瞬でできるようになる。「環境を構築したことのある開発者なら、時間が短縮できるだけではなく、自分自身が生み出すアプリケーションをリッチにできるなど、良いものが生み出せることも知っている。コンテナ技術を身につけることは、開発者のキャリアに取っても優位になるので、魅力的な技術だと感じている人は多いと思います」(佐藤氏)
コンテナを使うメリットは高速化や環境構築の容易さだけではない。同じDockerファイルを使えば、本番環境と試験環境を同じにできるので、環境起因によるバグを撲滅できる可能性がある。