常時点灯時の制御がアプリごとにできるように
Apple Watch Series 5以降では常に画面を点灯させておく機能が搭載されていました。watchOS 7までは時間が経つと背景がぼやけたような表示になっていましたが、watchOS 8からは画面が暗くなり、タップするとすぐにアクティブになるようにアップデートされました。
これに伴い、点灯状態ごとの表示をアプリごとに制御できるようになりました。
アクティブ状態を取得するための環境変数 isluminanceReduced が追加されたので、これを利用して非アクティブ状態の表示制御が行えるようになります。
非アクティブ時でも目立たせたい部分をハイライトしたり秘匿情報などを隠したりなど、watchOSのアプリでできることの幅が広がりました。
watchOSはスタンドアロンデバイスとして更に進化する
watchOSにはコンプリケーションというiPhoneいうWidgetのようなものを文字盤に配置することができます。
コンプリケーションには例えば歩数やタイマーなどを設定して、文字盤で情報を確認したり、素早くアプリにアクセスしたりできる役割があります。
今まではiPhone経由などで情報を取得していたHealthKitやBluetoothデバイスの情報を、iPhoneなどを経由してではなく、Apple Watchが直接取得し、利用することができるようになります。
これによりApple Watchがスタンドアロンデバイスとしてより強化され、アプリのコンプリケーションを文字盤に配置すると1時間あたり最大4回取得することができます。
よりリッチな体験のためのAPIアップデート
さらにスタンドアロンデバイスとしてリッチな体験を提供するため、たくさんのAPIのアップデートがあります。
- Assistive Touchが導入され、手の動きを認識してUIをナビゲートできるように
- アクセシビリティ向上のため、Textの拡大縮小ができるように
- Buttonに触覚フィードバックを付与できるmodifierが追加
- スクロールビューの上部にタイトルが追加され、iOSなどと一貫性のあるデザインに
- SwiftUIのTextFieldに手書き入力や音声入力が標準搭載されるように
- Listがスワイプアクションに対応し、削除やお気に入りの動作をさせられるように
- Canvas APIによりOpenGLを利用したリッチな描画処理が可能に
ここまでに多くのアップデートがありましたが、これら以外にも下記のようなアップデートがありました。
- 天気アプリで次の1時間の降水量が手軽に確認できるように
- AirTagを利用することで無くしたものを探せるように
- 複数のタイマーに対応
おわりに
macOS/watchOSのアップデートをご紹介しました。近年のmacOSのアップデートはiOS/iPadOSのアップデートと合わせて見ると各デバイスの境界がなくなり、デバイスをまたいで何かをする時に、よりシームレスに、より直感的に利用できるようになったと感じるものが多く見受けられます。
Work from homeが広まる中で、オンラインでありながらオフラインのものに近いコミュニケーションのための機能や、日常の中で健康を維持するための機能など生活体験そのものを支えるアップデートも多くありました。
一方でwatchOSはスタンドアロンデバイスとして大きく進化しており、iPhoneを携帯しなくても近い体験が得られるようになる日が訪れるのでしょうか。
生活の変化に合わせて、Appleは多くのアップデートを私達に届けてくれます。オンライン開催になったことでさまざまなセッションを好きな時間に見られるようになりました。ぜひKeynoteだけでもご覧になってみてください。