作成するドキュメント例
今回作成するドキュメント例を示したのが図2です。仕様書や提案書であれば、このような見た目が実現できれば十分でしょう。
ここで使われているワードの機能としては以下のようなものがあります。
- スタイル/見出し
- 図の挿入
- 表の挿入
- フッタ
- 目次
つまり、これだけを覚えるだけでも十分見栄えがよく、そして実用的なドキュメントが作成可能です。
スタイルと見出しを使おう
ワードでドキュメントを記述する上で最も重要であり、必ず利用してほしい機能が「スタイル」と「見出し」機能です。
この機能は、見た目だけではなく、構造化ドキュメントを実現するためには必須の機能です。「見出し」を利用することで、図3に示すような構造を表現できます。
「見出し」とは「部・章・節」といった構成を表す仕組み。HTMLで言えば、H1などのヘッダタグに相当します。ワードでは標準で「見出し1」から「見出し4」まで登録されているので、H1からH4までと捉えて構いません。そして、スタイルとはそれらの装飾になるので、HTMLでいうCSSのような機能にあたります。
また、「見出し」は作成するドキュメント例でも示すように、「目次」を作成する際、あるいは、このあと紹介するアウトライン表示でも管理する文章のブロック(部など)の単位の名称として利用されます。
ドキュメント上の見出しを作るために、文字装飾を個別に指定しているケースを見かけますが、あとで体裁を整えるにも面倒にもなります。従って、必ず「スタイル」の「見出し」は利用するようにしましょう。
スタイルは、[ホーム]タブを選択すると、図4のようなメニューが開くので、スタイルを適用する位置にカーソルを合わせてから、該当のスタイルを選択します。
また、スタイルで装飾を変更するには、図5のように該当するスタイル上で右クリックし、[変更...]を選択してください。
すると図6のようなダイアログが表示されるので、ここで装飾を変更します。
このダイアログを見ると、フォントや文字サイズなどのような装飾は簡単に変更できるのがわかると思います。
なお、ここで表示されていない装飾は、ダイアログ左下の[書式]を選択すると、詳細な装飾指定が可能です。例えば、ドキュメント例にあるように枠線を指定するには、[罫線と網掛け]を選択します。
選択すると図7のようなダイアログが表示されるので、ここで上下左右で罫線を指定できます。
罫線はCSSで言えばボーダーのような役割と考えれば、理解しやすいはずです。
ワードのスタイル機能をみると、「見出し」以外にもスタイルが存在します。また、新たな「スタイル」も追加できます。スタイルを追加するということは、HTMLで言えば、新たなタグもしくはクラスを追加するというイメージに近くなります。ただし、CSSのように複数のクラスを適用することはできません。
ドキュメントを記載する前に必要なスタイルを用意することで、その後のドキュメント作成はスムーズになります。
例えば、筆者は以下のようなスタイルをよく追加します。
- 参考
- 注意事項
- コード例
読者諸氏が記述したいドキュメントでも、このように必要な要素は、事前にある程度決まっているはずです。ドキュメントを作成する際には、いきなり書き始めるのではなく、あらかじめ必要なスタイルを準備するようにしてください。
ワードになれてきたら、実際にいろいろと装飾を変更してみると良いでしょう。ただし、あまり凝った装飾にするとページのまたいだ箇所では、思い通りの見た目にならないケースもあります。できるだけシンプルでかつ、ページまたぎがあっても崩れないスタイルにするように心がけてみてください。
または、「デザイン」メニューではあらかじめ、いくつかのスタイルセットが用意されていますので、こちらを元に修正するのもお勧めです。