米Googleは、分散アプリケーションの開発とデプロイを容易にするフレームワーク「Service Weaver」を3月1日(現地時間)に公開した。Service WeaverはApache License 2.0で公開しているオープンソース・ソフトウェア。
「Service Weaver」は、分散アプリケーションとして開発されていない単一のプログラムを、複数のマイクロサービスに分割してデプロイすることを可能にするフレームワーク。分散アプリケーションを開発するには、プログラムを複数のコードに分け、それぞれがどのように通信してデータをやり取りするかというところまで開発者が実装する必要があるが、Service Weaverを使用すると、ローカルの環境で動作する単一のアプリケーションを自動的に複数のマイクロサービスに分割して、適切なクラウド・サービスに配置してくれる。
Service Weaver開発に至った動機としてGoogleは、多数のマイクロサービスのバイナリ・ファイルを管理することが重荷になった点を挙げる。それぞれのバイナリ・ファイルには、ネットワークの接続点やデータ型などの設定項目を記したファイルが付随しており、設定ファイルを見てバイナリ・ファイルを適切に管理することが大きな手間になっているということだ。
Service Weaverを使って単一のアプリケーションを開発すると、ローカル環境でそのまま動かすことも、クラウドでKubernetesを使ってマイクロサービスとして動かすことも可能になる。
ただし、Service Weaverは開発が始まったばかりで、最新バージョンの0.1では、Go言語向けのライブラリと完成したアプリケーションをローカル環境で動かすためのツールと、Google Kubernetes Engineを使ってマイクロサービスとして動かすためのツール、そして各種APIを提供する。そしてGoogleは、今後Service Weaverの開発を進めるに当たって、バージョン1.0までに後方互換性を損なうような大きな変更を予定していることを明言している。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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