スキルマップで見つけたチームの穴とは
エンジニア歴8年目のWorks Human Intelligenceの添田 雅規 氏。同社製品の「COMPANY Web Service (CWS)」の開発に加え、CWS導入コンサルや「COMPANY人事・給与(CJK)」のプロダクト開発などを経験し、新規の“キラキラ開発”よりも、粘り強く改善し続ける“泥臭い仕事”を好んでいる。
そんな添田氏がマネージャーになったのは突然のこと。2021年10月に添田氏が所属するProduct Div.の大規模な組織改変に伴い、現在の上長から依頼されて「断る理由がない」と引き受けた。メンバーはほぼ顔見知りとはいえハードモードな予感があった。また、突然の話であったことからマネージャー業務に対してあまりピンときておらず、2カ月ほどの準備期間は本を読んで過ごした。
その中で、マネージャーとしての指針を持つ必要があるとわかり、「どういうチームにすべきか」「どういう組織にしたいか」などのイメージトレーニングを行って、マインドやモチベーションを高めていった。そして2022年1月、CWS Dept.Payrollグループの発足と同時にマネージャーとして着任した。
CWS Dept. は、企業の従業員の方々が日々利用する人事関連の申請・照会システム「CWS」の開発保守を行う。Payroll グループは、そのうち給与に関する領域の機能強化や不具合修正、リファクタ、問い合わせ対応などの広範囲を担当することになった。しかしながら、添田氏自身、その領域で経験のある機能やサブシステムは数える程度で、「やばい!」というのが率直な印象だった。
さらに、スキルマップでメンバーの経験を確認したところ、多くの項目において「自信を持って対応できる」人が1人ずつしかおらず、中には「誰も経験がない」という項目も。誰かが病欠や退職で欠ければ一気に問題化することが明らかになった。さらにプログラミング経験については3人に2人がテストコードを書いたことがないことが判明。そうしたことからスキルの土台を固める必要性を強く感じながらも、既にコミットした案件が走り出していて切迫した状況だった。
添田氏は当時について、「いろいろとヤバいと感じたが、焦ってもテンパっても良いことはないので、地道に、計画的に、戦略的にやろうと開き直った」と振り返った。