Autonomous Databaseの操作とOracle APEXでの開発
実際にどのように使うか、武井氏はデモを披露した。まずOCIの画面を開いてみると、あらかじめ作成しておいたAutonomous Databaseが表示されている。ここで[Autonomous Database詳細]タブを開くと、データベースに関する詳細情報を確認できる。
例えば[バックアップ]のセクションを見ると、自動バックアップが有効化されていることを確認できる。Autonomous Databaseだと自動バックアップの保持期間はデフォルトで60日間。この期間内であれば任意のタイミングにデータベースを復元することができるようになっている。
[他のアクション]というボタンをクリックすると、Autonomous Databaseのライフサイクルを選択することができる。例えば「停止」、「再起動」、「終了」など。[パフォーマンス・ハブ]というボタンをクリックすると画面が遷移し、Autonomous Databaseの統計情報、例えばASH分析やSQLモニタリングを通じてデータベースのパフォーマンス状況を確認することができる。
続いてOracle APEXを利用する時の画面を見ていこう。Autonomous Databaseの[ツール構成]というタブを開くとOracle APEXを開くリンクがある。クリックすると、Oracle APEXが開き、(あらかじめ作成しておいた)ワークスペースが表示される。
Oracle APEXのトップ画面には、4つの主要機能へのナビゲーションが用意されている。[アプリケーション・ビルダー]をクリックするとWebアプリケーション開発、[SQLワークショップ]からはデータベースにあるオブジェクトのメンテナンス、[チーム開発]からはアプリケーション開発のライフサイクル管理、[ギャラリー]からはアプリケーション一覧へと進むようになっている。
次に武井氏はExcelファイルからアプリケーションを作成する手順をデモで示した。[アプリケーション・ビルダー]から[作成]、さらに[ファイルから]をクリックして、データが入っているファイルを選択する。続いて表の名前などを入力し、プレビュー画面で問題がない(文字化けなど発生していない)ことを確認して、データをロードする。ロードが終わると表が作成される。
この表からアプリケーションを作成していく。アプリケーションの作成画面にはページの概観や主要機能(プッシュ通知やアクセス制御)などが提示されるので、必要に応じて取捨選択してからアプリケーションの作成を実行する。
作成したアプリケーションに対して[アプリケーションの実行]をクリックすると、ブラウザの新しいタブが開いてログイン画面が表示される。ユーザー名とパスワードを入力してログインすると、作成したアプリケーションを利用できる状態となる。このアプリケーションを使うエンドユーザーには、ログイン画面のURLを伝えておけばいい。
アプリケーションでは、表からグラフを作成したり、カテゴリ別に検索したり、行単位でデータを絞り込んだり、レポート作成したりすることが可能だ。こうした機能はとてもシンプルだが、一から作成しようとするとそれなりに手間となる。Oracle APEXで提供されているテンプレートを活用すれば素早くアプリケーションを作成できて、データの編集も手軽にできるようになる。もちろんデータベースのデータはそう簡単に改変してはいけないことも多いので、データ編集についての制限をかけることも可能だ。
このようにOracle APEXはシンプルなアプリケーションを簡単に開発することができるので、ビジネスの変化が激しいなか素早く対応するのに寄与することだろう。あるいは既存の基幹システムや業務システムのちょっとした拡張にも役立つ。またデモで示したようにファイルで共有していたデータをWebアプリケーション化することで、複数のユーザーが安全に同時利用できるようになる。レガシーなクライアント・サーバー型のアプリケーションのWeb化で活用されるケースもある。
最後に武井氏は「Autonomous DatabaseやOracle APEXはさまざまな業界で採用されております。興味があれば成功事例やドキュメントなどをご確認いただき、Oracle Cloud Free Tierで無償でお試しください」と呼びかけた。
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