はじめに
これまでの連載で、サーバーレス技術の解説とそれを用いたAIシステムの実装例について紹介をしてきました。前回の記事では物体検知を行うモデルを学習の段階から用意し、AWSを利用しながらサーバーレス環境でのシステム構築を行った実装例について解説をしました。
最終回となる今回のテーマも、今までと同じくサーバーレス技術を用いて手早くプロトタイプのAIシステムを作る方法を紹介していくものとなります。今回はOpenAIが公開しているAPIの中でもChatGPTとWhisperを利用して、Google Meetで行なった会議の議事録を自動で作成してくれるSlack Botを作っていきます。また、前回はサーバーレス環境にAWSを利用しましたが、今回はGCPを利用した開発を紹介していきます。
自動議事録作成Slack Bot
OpenAI APIを利用すると、自動で会議の議事録を作成してくれるシステムを作成することもできます。今回は、Google Meetで行った会議の議事録を自動でまとめて、Slackに投稿してくれるBotをGoogle Cloud Functions上で実装する例を紹介していきます。
このシステムを組むためには、音声ファイルから文字起こしをする機能と、会話文を議事録としてまとめあげる機能、インターフェースとして入出力を担う機能の3つが必要になってきます。
音声ファイルからの文字起こしにはWhisper APIを、議事録としてまとめるのはChatGPT APIを、入出力はSlack Bolt for Pythonライブラリを利用してシステムを構築していきます。
それでは、順を追って説明していきます。