Cloud Functionsへのデプロイ
実装が終わったので、これをCloud Functionsへとデプロイします。
1. GCPプロジェクトの用意
まずはアカウントを用意し、Google Cloud ConsoleからGCPのプロジェクトを作成、支払い登録などの必須項目を済ませておきます。
2. gcloud CLIのインストール
完了したら、Cloud Functionsをデプロイするためのgcloud CLIをこちらの公式ドキュメントからインストールします。
インストールし終えたらフォルダの中にあるinstall.shを実行し、ガイドに沿って進めていきます。
./google-cloud-sdk/install.sh
3. 関数のデプロイ
ここまで済むとgcloudコマンドが使用できるようになります。
後は、プロジェクトのフォルダから以下のデプロイコマンドを実行することで関数のデプロイを行うことができます。
gcloud functions deploy YOUR_FUNCTION_NAME \ [--gen2] \ --region=YOUR_REGION \ --runtime=YOUR_RUNTIME \ --source=YOUR_SOURCE_LOCATION \ --entry-point=YOUR_CODE_ENTRYPOINT \ TRIGGER_FLAGS
オプションの詳しい説明はこちらの公式ドキュメントを参考にしてみてください。
Slack Appの作成
最後にSlack Appを作成していきます。こちらの公式ドキュメントに沿って作業をしていきますが、設定項目が多いのでひとつずつ解説をしながら進めていきます。
1. Slack Appの作成
まずは上記の公式ドキュメント内にある「Go to Your Apps」から、「Create new App」ボタンを押してSlack Appの作成を行います。
2. OAuth & Permissionsの設定
OAuth & PermissionsページでBot Token Scopesを設定します。今回必要な権限は以下の通りです。
chat:write commands files:read
3. Event Subscriptionsの設定
Event SubscriptionsページでEnable Eventsをオンにし、Request URLを設定します。このURLには先ほどデプロイしたCloud FunctionsのFunction URLを記載するのですが、末尾に/slack/eventsを付与する必要があります。
4. Interactivity & Shortcutsの設定
Interactivity & ShortcutsのページでInteractivityをオンにし、手順3で設定したものと同じRequest URLを記載します。
Create New ShortcutからOn messagesのショートカットを作成します。Callback IDは後ほどBotのシステムでイベントを指定する際のIDとなります。
5. アプリのインストール
Install AppページからSlack WorkspaceにBotを反映させます。
後は、Slack上でチャンネルにBotを招待することで機能させることができます。
これで完成です! 音声ファイルをアップロードしたら、それを読み込んで自動的に議事録を作成してくれるBotができあがりました。
まとめ
第3回の記事では、自動議事録作成Slack Botの実装例を通じて、OpenAI APIとGoogle Cloud Functionsの活用方法を解説しました。今回はSlack Botを使用した例を取り上げましたが、このインターフェース部分さえ変えれば様々なシステムに組み込んで応用する事が可能です。
この連載を通じて、サーバーレス技術をうまく利用することで、手早くAIシステムのプロトタイプを構築できる手法を、様々な実装例を交えて紹介してきました。近年目覚しい速度で発展を続けているAI技術に対して、ひとまずやってみよう、新しい技術に触れてみようという方たちの足がかりとなれれば幸いです。