Developer Joy向上への旅──開発者が楽しく働ける環境づくりの3ステップ施策とは?
同社ではDevExを高めるために、まずは現状の可視化を行ったという。現場の開発者がDevExの現状についてどう感じているか、直接ヒアリングを行った。また開発者の人数が増えすぎて直接のヒアリングが困難になった後は、計画的なサーベイを実施して現場の声を集めた。
さらには個人レベルだけではなく、チームレベルで抱えている課題を拾い集めて、チームの健康状態もチェックした。そのために開発者体験プラットフォームツール「Compass」を開発・運用し、これを通じて各チームで「うまくいっていること」「課題になっていること」をメンバーに1週間おきに入力してもらうようにしたそうだ。
またDevEx向上の取り組みを自主活動とはせず、そのための専任チームを設けた。このチームが主体となり、サーベイの実施やその結果の評価、先ほど紹介したようなCompassを通じたさまざまな仕掛けや内部サービスの開発など、DevEx向上のために必要なあらゆる取り組みを推進している。
その結果、同社は現在「DevExプラットフォーム」と呼ばれる仕組みを構築・運用している。開発に必要なあらゆる情報やツールをCompass上に集約し、開発者が情報や環境を探す手間や時間を省くことでより快適な開発体験を提供しているという。また必要に応じて、開発者がプラットフォームに機能を追加するなど、既存ツールと連携するための仕組みも提供している。
こうした取り組みを進めていった結果、現在では「開発者の満足度」も70%という高い水準を達成できているという。ただしこれでもまだ、同社のDevEx向上の取り組みは「道半ばだ」と皆川氏は語る。
「Developer Joy向上の取り組みは、終わりのない長い冒険の旅のようなものです。しかし、開発者が生き生きと働ける環境を作り上げる過程は実に楽しいものですから、ぜひ1人でも多くの開発マネジャーの方に、その旅を体験していただければと思います」