ビルド上の注意
実際にビルドを行うと、ネイティブ側のエラーが表示される場合があります。例えば、私が遭遇したエラーは、cocoapodsに関してのビルドエラーでした。
これまでFlutter側からのデバッグなどでは生じていなかったエラーが突然生じました。これらの原因を調べましたが、結果的に原因がわかりませんでした。しかし、環境を最初から作りなおしたところ、何事もなくビルドが成功しました。
多くの場合、なんらかの環境不具合の可能性が多いと思いますが、それらの原因を探すのは非常に大変です。そのため、環境を変えて同じ手順でビルド処理をしてみることをおすすめします。
まとめ
この連載の第1回が2020年9月から始まり、約4年間にわたって連載を続けてきました。これまで、いろいろと足りない部分もあったかもしれませんが、お読みいただいた方に感謝いたします。
連載の当初に「Flutter vs React Native」という話題がよくありましたが、現在でもその状況は変わっていません。つまり、スマホアプリの領域では、優劣の差が実質的には見られなかったということだと思います。今後も並行して使われていくことでしょう。
また、Flutterは2024ロードマップを公開しました。筆者がこの中でもっとも興味があるのは、デスクトップアプリへの改善部分です。FlutterやReact Nativeでもデスクトップアプリは作れますが、Windowsアプリに限定すれば、やはりどちらもまだ主流とは言えず、C#のようなVisual Studioを使っての開発が一般的です。
これまで、Java FXやAdobe AIRなどさまざまなハイブリッドソリューション(OSを問わず単一コードで複数のOS対応)が生まれてきましたが、いずれも普及せずにいます。一方で、electronWebViewを使ったデスクトップアプリは普及しつつありますが、これらはWebシステムの延長線上にあります。
electronなどで足りないニーズを満たしつつ、Flutterが本格的なアプリまで対応可能なフレームワークとして普及してくれることを願っています。