納得して業務に取り組みながら、恐れずに前向きに行動してもらう
では、どのようにチームをプロデュースしていったのだろうか。
「チームにパフォーマンスを発揮してもらうために重要視したのは、納得して業務に取り組んでもらうこと、恐れずに前向きに行動してもらうことという2点でした」

「納得して業務に取り組んでもらうために具体的にどうしたかというと、当たり前のことですが、まずは目的の共有と明確化でした」
その業務がなぜ必要で、どのような価値を生み出すのか。それをきちんと具体的に伝えること。この説明によって、納得して自発的に行動しやすくなるというのだ。Redmineなどのプロジェクト管理ツールであれば、チケットに必ず目的や狙い・終了条件を書くようにしているという。さらに、その人を指名した理由を伝えることも重要になる。
「『誰々さんでもいいのになんで自分なんですか』と言われた時に、きちんと答えを持っているべきだと私は思います」
そうしないと、やはり納得感がないというのだ。さらに小林氏のチームでは、納得できなければ拒否できるルールを設定していたそうだ。もしも相手に拒否された場合は自分が代わりに仕事をすることになる。
さらに、ある程度の裁量を持たせることで自分ごととして業務に取り組めるようにする、業務負担を軽減するために業務プロセスの改善に取り組んでもらうことも、納得して業務に取り組んでもらうために重要だと小林氏は説明した。

もう一つ、恐れず前向きに行動してもらうためのポイントはどのようなところにあるのだろうか。これには、まずミスを許容する文化の醸成が必要になるという。
「例えば、トラブルが発生したからといって、なぜトラブルを起こしたのだと怒ったらダメです」
トラブルが起きたということは、裏を返せば、それを見つけることができたとも捉えられるので、品質を上げるチャンスだと伝えるのだ。だから「今見つかってよかったね。だから、もう二度と発生しないようにどうしたらいいかを考えよう」と伝えることが重要になる。
「同じ意味なのですが、焦点の当て方を変えて前向きな行動を取れるようにするのが大事なのかなと思います」
さらに、挑戦しやすい環境づくりやツールにより小さな成功体験を積み重ねていくことも、恐れず前向きに行動してもらうために重要になると小林氏は説明した。
