SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

生成AI時代のセキュリティ入門

「あなたのコードは大丈夫?」バイブコーディングに潜む罠と開発者が学ぶべきセキュリティの新常識

生成AI時代のセキュリティ入門 第1回

あなたは大丈夫?脆弱性は「基本的なミス」から生まれる

事例1:セキュリティリスクが浮き彫りになった「1万件の個人情報漏洩」

 生成AIブーム以降に作成された多くのWebサービスに、特定のパターンでセキュリティ上の欠陥があることを発見しました。その気になれば、複数のサービスで合計約1万件の個人情報に誰でもアクセスできてしまう状態だったのです。

 その投稿は、多くの方にシェアされ、以前にも増してセキュリティの懸念を多くの方が持っていることがわかりました。

 そして重要なのは、脆弱性は「AIが直接書いたコード」によって直接生まれたわけではなかった、という点です。しかしこの経験は、「AIで誰でも簡単にアプリを作れる」という行き過ぎた楽観主義が、セキュリティ対策が不十分なアプリケーションを生み出す土壌になっていることを浮き彫りにしました。

 これは日本だけの問題ではありません、世界中で同様の事態が問題になっています。

事例2:開発ブームの裏で急増する、アプリからの情報漏洩

 2025年7月、女性向けのアプリ「Tea」で、約7万点の身分証明書画像と110万件以上のプライベートメッセージが流出するという壊滅的な事件が起きました。

 調査によって明らかになった原因は、高度なサイバー攻撃などではありませんでした。原因は「誰でもアクセスできる状態になっていたクラウドストレージ」と「アクセス制御に不備があったAPI」という、あまりにも基本的なセキュリティ設定のミスだったのです。

 この事件は、Teaの開発者がAIを使っていたか否かに関わらず、現代の開発が抱える問題を象徴しています。スピードを優先する開発スタイルが、最も基本的な安全確認のプロセスを省略させ、結果として大惨事を引き起こした典型的な例と言えるでしょう。

次のページ
「動くけど、危ない」コードが生まれる仕組み

この記事は参考になりましたか?

この記事の著者

CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)

CodeZineは、株式会社翔泳社が運営するソフトウェア開発者向けのWebメディアです。「デベロッパーの成長と課題解決に貢献するメディア」をコンセプトに、現場で役立つ最新情報を日々お届けします。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

Kyohei Fukuda(キョウヘイ フクダ)

 広島県出身、東京在住のWebエンジニア。 国内IT企業数社でフロントエンド開発に従事した後、現在は外資IT企業でSolution Engineer兼Developer Advocateを務めている。OSSのPDF生成ライブラリ「pdfme」を開発し、関連する書類作成サービスを個人開発し運営。 JavaSc...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/22261 2025/10/28 11:00

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング