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技術をビジネスにつなげるエンジニアの事業貢献

生成AIがコードを書き、人は責任を取る──SRE 馬場 俊彰氏に学ぶ「信頼」のエンジニアリング

 エンジニアが事業に貢献するうえで、技術的な知見とアドバイスは不可欠です。しかし、「技術的に正しい」はずの提案がビジネス側に納得されないことも少なくありません。もしかするとその原因は単なる部署間の意見の食い違いではなく、システムや技術に対する信頼が欠けているのかもしれません。今回は、システムの信頼性を高めるSRE(Site Reliability Engineering)のエッセンスをビジネスの成功につなげるべく、株式会社X-Tech5の取締役CTOや株式会社iCAREの技術顧問を務める馬場 俊彰氏に話を聞きました。生成AIがコードを書く時代も変わらず、エンジニアに求められるスキルが見えてきました。

馬場 俊彰氏

馬場 俊彰氏

株式会社X-Tech5 取締役CTO

レイヤ高め中心のSRE。エンジニアリングはもちろんのこと、コンサルティング・アセスメント、メンタリング・伴走、設計、実装、チーム組成などなどなんでもやります。
システムの運用フェーズに携わるのが好きで、モニタリング/オブザーバビリティとパフォーマンスチューニングが大好き。

Xアカウント:@netmarkjp

システムも組織も信頼関係が第一

インタビュアー(以下、編):本日は、エンジニアの事業貢献というテーマで、SREについてお話を伺いたいと思います。SREという言葉は広く知られるようになりましたが、自分の仕事とどう関係があるのか、まだわからないエンジニアも多いと思います。今回はSREの方法論だけでなく、職務に限らず応用できるポイントについて伺えれば幸いです。まずは自己紹介からお願いできますでしょうか?

馬場 俊彰氏(以下、馬場氏):はい。株式会社X-Tech5で取締役CTOと、株式会社iCAREで技術顧問をしています。取締役なのでもちろん経営がお仕事ですが、技術者としてSREやオブザーバビリティをキーワードに、ITインフラ、特にクラウドインフラを中心にして、構築、運用、監視、改善などをリードしています。

:早速ですが、技術的に正しいと思われることが、ビジネスサイド的にはそうでもなくて、衝突してしまうことがあると思います。解消する方法はありますか?

馬場氏:そうですね。技術やビジネスの捉え方の範囲が狭かったり、期間が短かったりすると、衝突が起きやすいように思います。私のポジションは会社の取締役なので、ビジネスも技術も、社会の中にある「作るもの」という感覚が強いです。

 よって、何が正しいとか、どちらが正しいということはありません。ただ、範囲や期間を暗黙で仮定して「今期の利益」などに置き換えたコミュニケーションの結果、衝突が起こるのだと思います。そうではなくて、ビジネスと技術の両方を見たうえで「今何をする?」「中長期に何をする?」というコミュニケーションであれば、そんなに衝突は起こらないと思います。そしてそのうえで不可欠なのが、組織内の信頼関係です。

:SREが重視するシステムの信頼性にも通じますね。

馬場氏:はい。システムの信頼性の担保は、定期的に指標を計測する、つまりこちらから定期的に関わりを持つところから始まります。人間関係も同じで、定期的なコミュニケーションから始めましょう。技術的な議論の前に、「あの人には任せられる」「このチームの判断なら安心だ」という信頼を築くことが、重要な第一歩になります。

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生成AI時代のエンジニアの一番の仕事「保証」とは?

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この記事の著者

小林 真一朗(編集部)(コバヤシシンイチロウ)

 2019年6月よりCodeZine編集部所属。カリフォルニア大学バークレー校人文科学部哲学科卒。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)

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https://codezine.jp/article/detail/22296 2025/10/31 11:00

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