はじめに
クライアントにデータを操作させる必要がある場合には、Excelのスプレッドシートを用意するのが最も簡単です。スプレッドシートはPythonを使って簡単に作成できますし、スプレッドシートをWebからダウンロードさせることも、DjangoというWebフレームワークを使えば簡単です。この記事ではスプレッドシートの進化の歴史について簡単に触れた後、この2つの操作方法について説明します。
スプレッドシートの進化の歴史
サメは何百年もの間、あまり進化していません。その最大の理由は、野生で十分に生きていけるからです。獲物を実に上手く捕らえることができるので、サメは自らを適応させる必要も、変化する必要もなかったのです。これ以上進化させるところはないというほどに、サメは完璧な恐怖のフィッシュハンターです。
サメと同様に、スプレッドシートも数十年の間、あまり進化してきませんでした。サメの例と同じく、スプレッドシートもデータを実に上手く処理することができるので、ほとんど進化する必要がなかったのです。スプレッドシードでは大量のデータを扱うことができ、データをわかりやすい表形式で表示でき、プログラマでない人でも、数値の並べ替えや操作を行ってデータを分析できます。スプレッドシートは完璧な恐怖のデータハンターなのです。
Webアプリケーションのデータ表示
スプレッドシートはそれほど素晴らしいものなので、改良を試みて時間を無駄にするよりも、その能力を素直に認めた方が得策な場合もあります。Webアプリケーションの機能の大半は、「データベースのデータを受け取って、それをWeb上に配置すること」です。反復的開発環境では、最初の数サイクルは「データをデータベースに入力すること」に費やされます。この段階が終わると、開発の依頼主がWebアプリケーションにデータを表示させてみて欲しいと言い始めるでしょう。ここからが面倒なところです。
表示して欲しいと求められたところで、そのデータを実際にどのように操作したいのかを正確に理解しているクライアントはほとんどいません。その時点では自分で理解しているつもりなのかもしれませんが、言われたとおりにして見せると、たいていは「思っていたのと何だか違う」という反応が返ってきます。
これは別に、クライアントが意地悪をしているわけではありません。すべてのデータを一度に見るという経験はおそらく今まで1回もなかったのでしょうから、当然と言えば当然なのです。新しい形の情報をいじってみたら、今まで考えもしなかったパターンを思いついたというだけのことです。
Excelファイルを提供するWebアプリケーション
このような経験から、筆者はできるだけExcelを使ってクライアントにデータを表示して見せるようにしています。データはクライアントがWebアプリケーションからダウンロードできるようにしておきます。Excelで自由に操作してもらった後なら、データをどのように利用し、最終的にどのように表示させたいかについて、優れたアイディアをクライアントから聞き出すことができます。時間を節約でき、製品の品質向上にもつながります。
「データをExcel形式でダウンロード」ボタンを用意しておくと、データの可搬性という点でも大いに役立ちます。アプリケーションが完成に近づき、データの表示にExcelを使用する必要がなくなったときでも、Excelへのエクスポート機能を残しておき、ユーザーがデータをオフラインで利用できるようにしましょう。これはさまざまな難題を解決する、間違いなく魅力的な機能です。
スプレッドシートの素晴らしさをご理解いただいたところで、以降ではその作成方法を説明し、続いて、必要なときすぐにWebアプリケーションからダウンロードできるようにする方法について解説します。
今回の例ではWebアプリケーションフレームワークにDjangoを使用しますが、基本的な考え方はどのツールキットを使用する場合でも同じです。