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Zend Framework入門

Zend Framework入門(10):
Zend Frameworkにおけるビューの処理 - Zend_View(後編) -

Zend Frameworkによる実践的なPHPアプリケーション開発 10


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テンプレートエンジンの利用

 今までの説明では、ビューに関する部分を直接PHPで書く前提で話を進めてきました。しかし、生産性や管理の手間を考えると、テンプレートエンジンを使ってビューの部分を生成したいと思われるかもしれません。Zend_View は特定のテンプレートエンジンに依存していないため、さまざまなテンプレートエンジンと連携することが可能です。

 テンプレートエンジンとZend Frameworkを連携させる方法にはいくつかあります。ここでは、Smartyを題材に、直接Smartyを呼び出す方法と、Zend View の「自動レンダリングモード」から利用する方法と、2通り説明します。

Smarty の設定

 SmartyはPHPのためのテンプレートエンジンです。今回の解説では、Smartyの設定方法や利用方法については必要最低限のことしか触れません。Smarty に関する日本語のドキュメントもありますので、必要に応じて参照してください。

 Smarty は「C:\Smarty-2.6.19」以下に展開されているとします。また、php.iniでSmartyへのパスが指定されているとします。筆者の場合の設定は次のようになっています:

php.iniでのinclude_pathを指定する行
include_path = ".;C:\Program Files\PHP\pear;C:\ZendFramework-1.5.2\library;C:\Smarty-2.6.19\libs"

 今回の例で使うSmartyのためのファイルは「C:\codezine\smarty」以下に設置するとします。このフォルダの下にSmartyで使う 4つのフォルダ(cache, configs, templates, templates_c)を作成します。また、例で使うテンプレートindex.tplをtemplatesの下に配置します。

index.tpl
{* コメント *}

こんにちは、{$name}。
Smarty とZend Frameworkの連携成功です!

 また、Smarty が動作しているか確認するためのスクリプト「test_smarty.php」を「C:\codezine\smarty」の下に配置します。

test_smarty.php
<?php
require_once('Smarty.class.php');
$smarty = new Smarty();

$smarty->assign('name','codezine');

echo $smarty->fetch('index.tpl');
?>

 この時点でのファイルの配置は次のようになっているはずです:

Smarty 関係のファイルの配置
C:\codezine\smarty
  cache/
  configs/
  templates/
    index.tpl
  templates_c/
  test_smarty.php

 ここで「test_smarty.php」を実行すると次のようになるはずです:

test_smarty.php の実行
C:\codezine\smarty>php test_smarty.php

こんにちは、codezine。
Smarty とZend Frameworkの連携成功です!

 (注:この時点ではまだ連携には成功していないです)

Smartyに描画を任せる

 それではまず、Smartyに描画を任せる方法について説明します。この方法ではZend_Viewによる描画を無効にし、Smartyからの結果をそのまま出力します:

Smartyに描画を任せる(c:/codezine/zendapps/controls/SmartyController.php)
<?php
require_once 'Zend/Controller/Action.php';





class SmartyController extends Zend_Controller_Action
{
...
    public function noviewAction()
    {
      //Zend_View による自動レンダリングを無効にする
      Zend_Controller_Front::getInstance()->setParam('noViewRenderer', true);
      require_once('Smarty.class.php');
      $smarty = new Smarty();

      $smarty->template_dir = '/codezine/smarty/templates/';
      $smarty->compile_dir  = '/codezine/smarty/templates_c/';
      $smarty->config_dir   = '/codezine/smarty/configs/';
      $smarty->cache_dir    = '/codezine/smarty/cache/';

      //変数の設定
      $smarty->assign('name','codezine');

      echo $smarty->fetch('index.tpl');
    }
}

 実行結果です:

Smartyに描画をまかせる
Smartyに描画をまかせる

 この方法では、Zend_Viewの機能との互換性はないため、アクションコントローラでの記述をSmartyに合わせた形式にする必要があります。

次のページ
今回のまとめ

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト 風田 伸之(カゼタ ノブユキ)

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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