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Visual Studio Team Systemで
アプリケーションモデリング

Visual Studio Team System 2008 Architecture Editionを使ってみよう(1)

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目次

アプリケーションの実装

 さまざまな設定を行ったアプリケーションはその設定をもったプロトタイプとして実装することができます。具体的には、同一ソリューション内にプロジェクトが作られることになりますが、以下のアプリケーションの種類(アプリケーションデザイナのツールボックスに表示されているアプリケーションを指します)がプロトタイプの実装に対応しています。

  1. ASP.NETWebApplication
  2. ASP.NETWebService
  3. OfficeApplication
  4. WindowsAppliaction

 これらのアプリケーションをデザインしている場合、デザイナ上で対象アプリケーションを選択すると、プロパティウィンドウに[実装]というカテゴリが表示されます。例えば、ASP.NETWebApplicationを選択すると[図13]のような内容が表示されます(表示される内容はアプリケーションの種類によって異なります)。ここで、実装されるプロトタイプの.NETのバージョンやベースとなるVisual Studioテンプレートを選択することができます。

図13 ASP.NETWebApplicationのプロパティ
図13 ASP.NETWebApplicationのプロパティ

プロパティの説明

 プロパティウィンドウの[実装]カテゴリに表示されている項目について簡単に紹介していきます。

ターゲットフレームワーク

 実装する.NET Frameworkのバージョンを設定します。.NET Framework 2.0/3.0/3.5のいずれかから選択することができます。

テンプレート

 対象のアプリケーションの種類によって表示される内容は異なりますが、新しいプロジェクトを作成するときと同じようなプロジェクトのテンプレートを設定します。標準では以下のものが用意されています。

選択可能なテンプレート
アプリケーションの種類 テンプレートの種類
ASP.NETWebApplication ASP.NET Web サイト
空の Web サイト
ASP.NET Web アプリケーション
ASP.NETWebService ASP.NET Web サイト
空の Web サイト
ASP.NET Web アプリケーション
OficeApplication 2007 Excel 2007 テンプレート
2007 Excel 2007 ブック
2007 Outlook 2007 アドイン
2007 Word 2007 ドキュメント
2007 Word 2007 テンプレート
2003 Excel 2003 テンプレート
2003 Excel 2003 ブック
2003 Outlook 2003 アドイン
2003 Word 2003 ドキュメント
2003 Word 2003 テンプレート
WindowsApplication コンソールアプリケーション
Windows フォーム アプリケーション
Windows サービス

プロジェクト

 プロジェクトの名前を設定します。通常、新しいプロジェクトを作成するときに設定するプロジェクト名と同一のものです。プロパティウィンドウ内の[デザイン]カテゴリ内にある[名前]と別の値に設定することもできますが、同一にしておくことをお勧めします。

言語

 プロトタイプを実装するときに利用する言語を設定します。Visual BasicかVisual C#を選択することができます。

プロジェクトの場所の種類

 ASP.NETWebApplicationまたはASP.NETWebServiceのプロパティにのみ表示されます。ファイルシステムとHTTPから選択することができます。

WPFアプリケーションへの対応

 実装のためのプロパティの設定をみて、あれ? と思った方いますか? WindowsApplicationのテンプレートにWPFアプリケーションがありませんね。ちょっと意外ですが、対応させることもできるようにはなっています。

どのアプリケーションの種類でも[実装]カテゴリ内の[テンプレート]プロパティを選択しようとすると、[カスタムテンプレート]が表示されるようになっています。ここでは、Visual Studioが使っているプロジェクトテンプレート(具体的には、.vstemplate拡張子のもの)を指定できます。

 WPFアプリケーションを作成するためのプロジェクトテンプレートはVisual Studioをデフォルトインストールしている場合、C#用は「C:\Program Files\Microsoft Visual Studio 9.0\Common7\IDE\ProjectTemplates\CSharp\Windows\1041」フォルダに[WPFApplication.zip]という名前で格納されています(Visual Basicの場合は、パス名内の[CSharp]を[VisualBasic]に読み替えてください)。

 WPFApplication.zipファイルを解凍すると、[csWPFApplication.vstemplate]という名前のファイルを含んだWPFApplicationフォルダが作成されます。このフォルダを適当な場所にひと固まりのままで置いておき、前述の[テンプレート]プロパティの設定から[csWPFApplication.vstemplate]ファイルを選択することで、WPFアプリケーションベースのプロトタイプを実装できます。

 この方法は、GenericApplicationというアプリケーションの種類に対して、自分の好きなテンプレートを指定して独自のプロトタイプを実装させるなどにも応用が利きますので、ぜひ押さえておいてください。

実装

 さまざまな設定が完了したら、デザイナ上で実装対象アプリケーションを右クリックして、[アプリケーションの実装]を選択します[図14]。全アプリケーションを一気に実装してしまう場合には、[すべてのアプリケーションを実装]を選択します。

図14 アプリケーションの実装
図14 アプリケーションの実装

 確認ダイアログが表示されたら[OK]を選択すると、指定した設定に基づくVisual Studioプロジェクトが生成されます。プロジェクトが生成されると、アプリケーションの[実装]プロパティは変更できなくなりますので注意してください。また、作成されたプロジェクトとモデル上のアプリケーションは同期しています。このため、アプリケーションデザイナ上でアプリケーションを削除すると、作成したプロジェクトも削除されますので注意してください(ソリューションから削除されるだけでHDDから削除されるわけではありません)。

まとめ

 今回は、アプリケーションデザイナを使ったアプリケーションモデリングを行う際の基本的な説明を行ってきました。聞きなれない用語がたくさんあって戸惑う部分も多かったかもしれません。VSTS-AEは対象とするアプリケーションの規模が比較的大きいなど、他のTeam System製品に比べると少し使いどころの範囲が狭いと感じられてしまう製品ではあります。しかし、本稿や今後説明していく他の分散デザイナとの連携などの内容をもとに、利用方法のアイディアにつながれば幸いです。

 次回は今回アプリケーションデザイナで定義したアプリケーションを基に、もう少しアプリケーションの種類が増えた時の対応を行う「システムデザイナ」という機能について紹介します。システムデザイナは分散デザイナの中核をなす機能で、他のデザイナとも密接に連携していくものです。そのあたりに比重を置いて解説していく予定ですので、どうぞお楽しみに。

参考文献

  1. MSDN ライブラリ


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連載:Visual Studio Team System 2008 Architecture Editionを使ってみよう

著者プロフィール

  • 山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

    静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for ASP/ASP.NET。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。 主な著書に「入門シリーズ(サーバサイドAjax/XM...

  • WINGSプロジェクト りばてぃ/FUJIKO/ナオキ(リバティ, フジコ, ナオキ)

    <WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂...

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