はじめに
前回の記事では、Window PowerShell用の独自コマンドレットの開発手法について説明しました。今回は独自コマンドレット用のヘルプの作成方法について説明します。
開発環境について
開発環境として、Visual Studio 2005以降およびMicrosoft Windows SDKが必要です。Microsoft WIndows SDKはダウンロードセンターからダウンロードし、インストールしてください。
また、Windows PowerShellがインストールされていることを前提としています。インストール方法は『Windows PowerShell入門(1) - 基本操作編』を参照ください。
コマンドレットヘルプ
PowerShellコンソールで任意のコマンドレットのヘルプを参照する場合は、Get-Help
コマンドレットを使用します。今回は、前回作成したコマンドレットのヘルプを作成して、Get-Help
コマンドレットから参照できるようにします。
まずはヘルプの参照方法についておさらいしておきます。下記がGet-Help
の基本構文です。
Get-Help コマンドレット名称 [パラメータ]
Get-Help
コマンドレットにはいくつかのパラメータがあり、詳細な情報を得ることが可能です。Get-Help
コマンドレットで取得できる情報は下記の通りです
パラメータなし | -Detailed | -Full | |
名前 | ○ | ○ | ○ |
概要 | ○ | ○ | ○ |
構文 | ○ | ○ | ○ |
詳細説明 | ○ | ○ | ○ |
パラメータ | ○ | ○ | |
入力の種類 | ○ | ||
戻り値の型 | ○ | ||
メモ | ○ | ||
サンプル | ○ | ○ | |
関連するリンク | ○ | ○ | |
注釈 | ○ | ○ | ○ |
ヘルプファイルの作成方法
コマンドレット用のヘルプファイルはXMLファイルとして作成します。
ファイル名の付け方は決められており
<PSSnapInAssemblyName>.dll-Help.xml
とする必要があります。
よって、前回作成したコマンドレットはスナップイン名称がMy.PowerShell.Cmdletsなので
My.PowerShell.Cmdlets.dll-Help.xml
となります。
作成したヘルプファイルは、スナップインと同一の場所へ保存をすることで、登録されているスナップインと関連づけられます。今回作成するヘルプは前回同様、C:\Windows\System32\WindowsPowerShell\v1.0へ配置することにします。
ヘッダーとコマンドノード
まずは以下を記述したxmlファイル(ファイル名:My.PowerShell.Cmdlets.dll-Help.xml)を作成します。
<?xml version="1.0" encoding="utf-8" ?> <helpItems xmlns="http://msh" schema="maml"> </helpItems>
以降、コマンドレット用ヘルプに関するアイテムは<helpItems>タグに下記に示すコマンドノードを追加して作成します。
ノード | ヘルプの項目 |
<command:details> | コマンドレット名と概要 |
<maml:description> | 詳細説明 |
<command:syntax> | 構文 |
<command:parameters> | パラメータ |
<command:inputTypes> | 入力の種類 |
<command:returnValues> | 戻り値の型 |
<maml:alertset> | 注釈 |
<command:examples> | 使用例 |
<command:examples> | 関連リンク |