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「できて当たり前ができるPHP用IDEを」
製作者レオン氏が語るDelphi for PHPとは

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2009/02/23 12:00

目次

レオン氏がPHP向けIDEを作り始めたわけ

 世界中にプログラマは多くいるが、商用のIDEを作る開発者は多くない。いったいどういう経緯で作り始めたのだろうか。

 最初にプログラミングを始めたのは11歳のときだったというレオン氏。初めて触れた言語はBASIC、そしてC言語を学んでいた。次いで、Windows向けアプリケーションを作ろうとしたときに、何か良い開発ツールはないかと探したのだが、そのときに見つかったのがVB開発ツールであるVisual Studioと、そしてDelphi for Windowsだった。特にDelphi for Windowsの使い勝手に非常に好印象を得たという。

 その後、レオン氏はCOBOL向け開発環境の開発に参加。ここでIDEを作るという貴重な経験を積むなどしていた。

 その頃、Webアプリケーションが広まりつつあったが、当時のDelphi for WindowsはWebアプリケーションを作ることができないという問題があった。そこで、Webアプリケーション向け言語を探していく中でPHPと出会ったレオン氏は、PHPでのアプリケーション開発を始めることになる。

 ところが、「PHPの開発は、今までの開発からステップバックしてしまった」とレオン氏は笑う。今までと違い、コードをたくさん書くというところから始めないといけなくなってしまった。Delphi for Windowsであれば、こういった面を「楽していた」ため、戻ってしまったという印象を受けたという。

 今までDelphi for Windowsに馴染んできたユーザーとして、PHP版が必要だと感じた。Delphiの力を知っていて、COBOLでのIDE開発経験があり、そしてWebアプリケーションを簡単に作れる方法に興味があった。そういったさまざまな要因があって、Delphi for PHPの開発に乗り出したのだという。

 実際にユーザーに製品を見せてみると、PHP開発をやっている人なら「こんなことが可能だったの!?」と驚かれることが多く「非常に喜ばれる」とレオン氏。一方で、Delphiの製品に慣れている人は特に驚かないと苦笑する。「なぜならDelphiではこのぐらいできて当然なんだ。Delphi for Windowsユーザーだったら、APIに個別に対応したくないし、ボタンがあって、そこをダブルクリックすれば必要な分だけのコードを書けばいいというのを希望していたので、Delphi for PHPは期待通りのものでしかない。だから見せても『このぐらいできるのが当然だよね』と言われてしまう」。

 しかしレオン氏は「でもそこが重要で、Delphiでは当たり前のことがPHP開発ではできなかったんだ。だからこの製品ではDelphiの開発しやすさをPHP開発に持ち込もうと思ったんだ」と話す。

初心者でも、Webデザイナーでも

 こういった経緯もあったため、レオン氏は、Delphi for PHPを作るにあたり、既存のPHP開発者が楽できるようにということを念頭に置いて開発したという。しかし、Delphi for PHPはユーザーを選ぶ製品ではなく、初心者からデザイナーまで幅広く使ってもらいたいとレオン氏は言う。

 「段々に使ってもらうことをおすすめします」とレオン氏。例えば既存のPHPプログラマでビジュアル開発に慣れていない人の場合、エディタだけでも使用すればよい。そこからHTMLエディタに進み、プロジェクトのファイル管理を行い、としていくうちに、今やっていることと非常に近いということがわかるはずだという。そこまで慣れた段階で、ビジュアル開発を利用するようになってもいいという。

 レオン氏は「ビジュアル開発はおすすめだが、使わなくてもいいと思う。どんな開発形態にも合うように設計している。だから開発者であれば、デバッガやプロファイラ、データベース連携を活用していけばいい」と話す。

 逆に「HTML・CSSをメインに触れるデザイナーであれば、ビジュアル開発部分から触れていってもらって欲しい」とレオン氏は言う。「VCL for PHPにより多くのフィーチャーおよびコードがカプセル化されてユーザーには見えないようになっています。HTMLテンプレートもこのVCL for PHPではサポートしているので、HTMLテンプレートをインポートして、そのままビジュアルデザインをしたり、PHPを埋め込んでいったりできると思います」と語った。

次バージョンについて

 次バージョンの3.0についてたずねると、「大体の期日は見えているが、まだ話せる状況ではないため、具体的な期日を言うことはできない」とのこと。次バージョンの意見や情報についてはDelphi for PHP Communityで知ることができる。

 ただし、レオン氏はDelphi for PHPの目的について「基本的に言えるのはDelphi for PHPはソーシャルネットワークのアプリケーションを構築できるようにというのと、より多くのインターフェースを構築できること、ここにフォーカスをあてて開発していく予定です」と強調した。また、レオン氏の個人的な希望としては、Mac OSやLinuxを含むクロスプラットフォームでの動作や、アプリケーションアクセスの容易性のさらなる向上などをあげていた。

 PHP開発IDEとしてEclipseやNetBeansについて「気にはしている」というが、Delphi for PHPも含め、それぞれ向き不向きがあるため、開発者にとって1番使い勝手の良い製品を選ぶべきだと語る。また、エンバカデロではRuby on Rails用IDE「3rdRail」がEclipseベースで提供されており、Delphi for PHPもEclipseベースにすることについて評価を行ってはいるが、現在のところは考えてないという。



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