さらなるソフトウェア品質の向上へ向けた開発手法と標準化を追求
今後のカーエレクトロニクスにおける目標と課題について、安保氏はデジタルプロセス化のさらなる推進と品質の向上を大きなテーマに掲げる。具体的には、新しいモデルが出て最初のクルマを作った時点で、ほとんどバグがないというのをいかに目指すかが問題になるという。それには設計・開発段階でのシミュレーションが大きなカギになる。たとえばクルマのハーネス(配線)経路は、さまざまな配線が互いに干渉しあわないように入念な設計が必要だが、これをデジタルでシミュレーションすることで、実際の工程に入る前に完全な状態にしておくといったことが考えられる。
「しかしこれがソフトウェアとなると、いまや世界中で開発しているものを完全に統一するのは非常に困難だ。そこでソフトウェアロジックをいかに開発するかに重点を置いていくことになる。制御仕様などをまず日産内部でモデル化してPC上でソフトウェアの動作を検証し、合格したものを世界中の開発拠点に配布していくといった方法で標準化を図り、品質の向上・均一化へとつなげていきたい」
クルマは熱や振動といった苛酷な環境のもとで使用される機器だ。そうした要求に応えるためにも、ハードウェアとソフトウェア双方にわたる品質追求を、日産自動車では今後も進めていくという。そのための取り組みの方向性について安保氏は、「クルマの場合、量産体制に入る前に台上評価装置を使って、各部品の整合性を徹底的に検証する。ハードウェアでは熱シミュレーションや電波障害シミュレーションといった検証手法がすでに実施されているが、ソフトウェアにおいてもそうした完成度の高い製品づくりの一環として、引き続き品質改善の途を追求していきたい」と抱負を述べ、セッションを締めくくった。
