作業項目定義の追加
最後に新規作成またはカスタマイズした作業項目定義をチームプロジェクトに登録します。作業項目定義を取得する時と同じ場所(Visual Studioが標準インストールされている場合、「C:\Program Files\Microsoft Visual Studio 9.0\Common7\IDE」)にwitimport.exeというツールがあるのでこれを利用します。実際に追加を行うときには必ず、A)事前に定義内容の検証を行う、B)実際に登録する、のステップで行うようにしましょう。定義内容の検証は次のリスト2のように実行します。
witimport /t tfs2008 /p CodeZineWITSample03 /f MyTask.xml /v
オプションスイッチの /t、/p、/fに関しては、witexport.exeのときと同様です。/vは実際に登録を行うのではなく、指定したファイルの定義が正しいかを検証するためのスイッチです。ここで定義内容にエラーがあるとそれを示すメッセージが表示されるので、メッセージに従ってすべてのエラーがなくなるように修正を行います。エラーがなくなったら次はリスト3のように実行します。
witimport /t tfs2008 /p CodeZineWITSample03 /f MyTask.xml
リスト2との違いはオプションスイッチ/vがないことだけです。/vを付けると検証のみを行い、/vを付けないと登録が行われます(もちろん登録するときにも同様の検証は行われています)。リスト3の実行に成功すると登録が成功した旨のメッセージが表示され、対象のチームプロジェクト上で登録した作業項目定義が利用できるようになります。
Power Toolsとは?
本稿の前半まではずっと、作業項目定義ファイルを手作業で編集したり、コマンドラインツールなどを駆使して、作業項目定義ファイルを取得、登録したりしてきました。これらは実際に運用を行っていく上では知識として押さえておく必要があることは言うまでもありません。しかし、実際に作業をするに当たってはもっと効率よく便利にできた方が良いということも言うまでもありません。
そこで用意されているのが「Team Foundation Server Power Tools」です。今回は主に作業項目定義に関するところにピックアップしますが、ほかにもPowerShellのためのコマンドレットやWindowsエクスプローラ上からTFSとやり取りできるようにするためのシェルエクステンションなども提供されています。詳細はMSDNのサイト「Team Foundation Server Power Tools」をご覧ください。
なお、このツールは製品とは別に提供されているため別途インストールが必要です。今回は、インストールの紹介の後、作業項目定義を編集する方法を見ていきます。最後に実際に作業項目を作成するときに便利な機能についても見ていきます。
Power Toolsのインストール
まずは、Power Toolsをインストールします。先ほどのサイトから辿ってもいいですが、次のダウンロードサイト「Visual Studio Team System 2008 Team Foundation Server Power Tools - October 2008 Release」から「tfpt.msi」ファイルをダウンロードします。ダウンロードが完了したら「tfpt.msi」を起動します。基本的にはウィザードに従って、インストールを進めてください。ただし、次の図1の画面では、[Custom]を選択することをお勧めします。
ここで、カスタムを選択しておくことで、次の画面で[Windows Shell Extension]のインストールを行うかどうかを選択することができます。この機能は図1でTypicalを選択している場合にはインストールされませんので、当該機能が必要な場合にはCustomでインストールすることが必須となります。
それ以外はウィザードに従ってインストールを進めてください。特に問題なくインストールは終わると思います。