ガイドライン上での各種コントロール定義と注意点(1)
バルーン
「それほど重要ではない問題を通知するために使用する」とガイドラインには記されているが、実際にはあまり使われることがない。その原因として、使い勝手がよくないことと重大なバグが解決されないままになっていることが考えられる。該当場所を指し示すヒゲのようなものは、ToolTipクラスのIsBalloonプロパティの値を「True」にすることで表示が可能となるが、このヒゲが全然違う場所を指してしまう。これを解決するには、IsBalloonの値を「False」に設定してヒゲを出さないようにするしかない。バルーンは相対位置で設定することもできるが、「IsBalloon」の値を「True」にした時点でデザインが崩れてしまう。
また、バルーンは「入力問題」と「特殊な状態」を通知するとガイドラインには規定されており、「特殊な状態」の場合はバルーン内に「警告アイコン」が表示される。しかし、実際に検証してみると、Windowsの入力フォームでCaps Lockがオンになっているときに表示されるバルーンには警告アイコンが表示されている。
チェックボックス
チェックボックス作成の際の注意点は、チェックボックスにチェックが入った状態(Onの状態)の意味をラベルに書くことである。例えば、「電源を入れる」という表現ではなく、「電源」という文言のみをラベルに表示することがポイントだ。
また、説明文では「[○○○]チェックボックスをオンにします。」のように、[~](大カッコ)の中にラベルの名前を入れることも覚えておいて欲しい。さらに、ガイドラインでのチェックボックス、およびラベルの大きさ、複数のラベルの行間についての推奨ピクセル数と、Visual Studioの標準値が異なるため、規定どおりに作成するにはマニュアルで面倒な調整作業をしなければならない。
コマンドボタン
コマンドボタンに関しては、Visual Studioのツールボックスからコマンドボタンをホームにドラッグ&ドロップすると、推奨値どおりに作成できる。説明文では、[保存]ボタンであれば「[保存]をクリックします。」といった具合に記述することがポイントで、単に「ボタン」とだけの記述はNGとされている。
コマンドリンク
コマンドリンクとは、ウィンドウの中の四角い部分にカーソルを合わせると色が変わり、クリックすることでリンク先にジャンプする画像リンクコントロールのようなもの。しかし、このパーツに関しては、ガイドラインには記されていない。これについては、後ほど解決方法を紹介する。
ドロップダウンリスト
コンボボックスのコントロールで、プロパティの「DropDownStyle」属性を「DropDownList」とすることで表示されるもの。これに関しては、ラベルとリストの間にコロン(:)を入れること、説明文には「[○○○]ボックスの一覧の[△△△]をクリックします。」と記載することが注意点である。
コンボボックス
コンボボックスはコントロールから、プロパティの「DropDownStyle」属性を「DropDown」とすることで表示できる。ここでの注意点も、ラベルとリストの間にコロン(:)を入れることと、説明文を「[○○○]ボックスの一覧に□□□を入力します。」とすること。入力も可能だが、基本的にリストからも選べる。また、推奨値の高さと、Visual Studioの標準値は異なるため、規定に沿った形で実現するにはフォントサイズを変えなければならず、かなり困難な作業となる。