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イベントレポート(AD)

FileMaker Goでモバイルにデータベース運用
業務適用例のセッションで示された数多くの可能性

「FileMakerカンファレンス2010」レポート(2)

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FileMaker開発会社が示すFileMaker Goの適用事例
さまざまなノウハウが凝縮された濃度の高いセッション

 「FileMaker Goを活用した業務効率化ソリューションの探求」は、日本のFileMaker開発会社を代表する4社より、FileMaker Goが実際に適用できそうな場面を想定したソリューションを作成して紹介するといったセッションだ。FileMaker Goを業務に適用するときの具体的なヒントというよりも、すぐにでも適用できそうな開発物や開発時に得られたさまざまなノウハウが紹介されるなど、FileMaker Goを単に新しいものとして紹介する以上に実用面での可能性と実現性にまで踏み込んだ内容となった。

 まず最初は、株式会社キー・プランニング代表取締役の木下雄一朗氏より、病院の診察予約を行うキオスク端末のデモが行われた。iPadをキオスク端末とみたてて、カードのバーコードを読み取ってログインを行い、時間を指定して予約が行えるというものだ。予約したことはメールで報告される。予約データはFileMaker Proで一覧できるなど、管理側の機能はFileMaker Proで実装するというものだ。木下氏は現在でも多くの病院がノートなどに手書きする予約が一般的であることを示し、自動化することでの業務効率向上を訴えた。また、iPadをキオスク端末として利用するためにはスクリプトでツールバーを消してよけいな操作ができなくする手法が使えることを説明した。一方、ホームボタンを押すことで別のアプリケーションに切り替えることができてしまうデメリットがあるが、iPadの純正ケースに入れたiPadであれば、ホームボタンの箇所にプラスチックのパネル入れるなどしてボタンを押しづらくするといった対処が可能であることが紹介された。

図3 キオスク端末での診察予約画面をデモ(株式会社キー・プランニングの木下雄一朗氏)
図3 キオスク端末での診察予約画面をデモ(株式会社キー・プランニングの木下雄一朗氏)

 続いて、株式会社エミック代表取締役の松尾篤氏より、経費精算システムの適用例が紹介された。経費精算では領収書の添付が通常は必要になり、どうしても紙のやりとりが発生してしまう。しかしながら、FileMakerからカメラを利用して領収書の写真を撮影し、データベースに画像を入力することでペーパーレスな精算処理ができ、遠隔地にいても余分な事務処理が発生しないというメリットとともに紹介された。写真画像はそのままではなく、別のiOS対応アプリケーションで切り取りや明るさの修正などを行えば、鮮明な画像にできることも示された。また、書籍の管理では、書籍に必ず印刷されているバーコードを読み取り、楽天ブックスのAPIから書籍名を取り出すといった作業ができることも実際にデモで示された。松尾氏はFileMaker Goに関する情報を提供する「FMGo情報局」というサイトも運営しており、Twitterでのフィードも含めてFileMaker Goに関するノウハウ提供を行っている。「FileMaker Goは持ち運べるFileMaker」であるとして、今後に強い期待を抱いていると話された。

図4 カメラで領収書を取り込み、画像をデータベースに流す(株式会社エミックの松尾篤氏)
図4 カメラで領収書を取り込み、画像をデータベースに流す(株式会社エミックの松尾篤氏)

 3番目は、株式会社バルーンヘルプシステム開発部の佐合紀和氏より、交通費精算を含む営業支援システムが紹介された。その日の訪問先から使用する交通手段を提示し、日報としてそれぞれの訪問先での営業結果をレポートする。そして、交通費の精算処理のための明細データをWebより取得してデータベースに格納するということができるシステムがデモされた。また、見積書などをPDFで生成し、出先で印刷するためにはセブンイレブンの店頭で印刷が可能なnetprintを利用することで紙の書類を用意できることも説明した。さらに、バーコードを使った会員管理ソリューションについても紹介された。会員証に会員番号などをバーコード印刷しておくことで、会員自身がiPhoneなどでバーコードを読み取り、さまざまなサービスを提供できることが示された。

図5 営業支援システムの動作を実際にデモした(株式会社バルーンヘルプの佐合紀和氏)
図5 営業支援システムの動作を実際にデモした(株式会社バルーンヘルプの佐合紀和氏)

 最後は株式会社寿商会専務取締役ITソリューションチームリーダーの若林孝氏による、電子ペーパー会議システムの紹介が行われた。電子会議では、共通の資料を参加者に提示する必要があるが、FileMaker Goでログインをしてその資料の提示を行い、メモをTwitter風に読み書きできるシステムをデモした。これには、Google AJAX Language APIを使い、英語を日本語に翻訳する機能も組み込まれている。また、文書ファイルの提供は、本格的なWebサーバを立てなくてもFileMaker ProのIWPの機能を利用して行うことも可能であることや、Windowsでのコマンドの指定方法、スクリプトの冒頭に警告音を入れてスクリプトの開始を具体的に示す、などのノウハウも紹介された。最後に「FileMaker Goによって自由で幅の広いソリューションが可能になった」と高く評価できることを説明した。

図6 会議資料を見ながら、メモを書き、翻訳までできるような仕組みをデモ(株式会社寿商会の若林孝氏)
図6 会議資料を見ながら、メモを書き、翻訳までできるような仕組みをデモ(株式会社寿商会の若林孝氏)

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日本でのFileMaker最大のイベントに成長 運用面での課題残すも今後に期待

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この記事の著者

新居 雅行(ニイ マサユキ)

 テクニカルライター、デベロッパー、コンサルタントとして、Mac OS X、iPhone、FileMakerを中心に活動している。近著には「新 リレーションで極めるFileMaker」(共著/ラトルズ)、 「FileMaker Server大全」(ラトルズ)、「Mac OS Xシステム管理」(ラトルズ)、「iPhoneアプリケーションプログラミング」(技術評論社)がある。FileMaker 9 Certified Developer、Apple Certified System Administorator 10.6、Apple Certified Trainier 10.6、Microsoft Certified Trainer、Microsoft Certified Technology Specialist、Microsoft Certified Application Specialist。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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https://codezine.jp/article/detail/5551 2010/11/03 14:00

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