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デブサミ関西レポート
「Windows、Mac、モバイル。クロスプラットフォーム開発の扉を開くRAD Studio XE2」

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 9月7日、神戸国際会議場にて「Developers Summit 10th Anniversary Countdown In Kansai」(以下、デブサミ関西)が開催された。2トラック、計10セッションが行われた今回のデブサミ関西では、クラウドやモバイルといった内容が目立つものとなった。本稿では、エンバカデロ・テクノロジーズのチーフエヴァンジェリスト David Intersimone氏によるセッション「Windows、Mac、モバイル。クロスプラットフォーム開発の扉を開くRAD Studio XE2」の模様をお届けする。

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Mac OS Xやモバイルに対応、クラウド連携も可能な開発スイート「RAD Studio XE2」

 「みなさん、こんにちは。初めて神戸に来ました」というDavid氏の挨拶から、セッションは始まった。このセッションでは、エンバカデロが提供する開発ツールスイート「RAD Studio XE2」を使って、マルチデバイス向けのアプリケーションを構築する方法が紹介された。

エンバカデロ・テクノロジーズ チーフエヴァンジェリスト David Intersimone氏
エンバカデロ・テクノロジーズ チーフエヴァンジェリスト David Intersimone氏

RAD Studio製品の特徴

 RAD Studio製品は、ソフトウェア開発を視覚化し、GUI部品を配置することで開発を容易に行うことができるRAD(Rapid Application Development)ツール。ドラッグ&ドロップでコンポーネントを配置・接続でき、それらをコンパイルするだけでアプリケーションが簡単にできあがる。データベースとの連携もシームレスに行うことができるため、複雑なソースコードを大量に書く必要もない。

 今回紹介されたRAD Studio XE2には、「Delphi」「C++Builder」「RadPHP」が搭載されている。これら3種類の開発環境により、さまざまなアプリケーションを視覚的に開発することができる。

 Microsoft Windows向けの開発環境「Delphi」は1995年に発売されてから今年で16年。16bit、32bit、64bitをサポートし、RAD環境としても定評がある。Windowsのコンポーネントレイヤで、Windowsアプリケーションのテーマやスタイルを選択できる。FacebookなどのWebアプリケーションやデータベースアプリケーション、またモバイルのアプリケーションからPHPのサーバとの通信も可能だ。

 「Delphi」は、C++での開発に対応している「C++Builder」と共に、Windows、Mac OS Xのクロスコンパイルをサポート。PHP開発で初めて視覚的な操作での開発を可能にした「RadPHP」は、iPhoneやAndroidなどモバイル向けに最適化されたアプリケーションの構築にも対応。幅広いデバイスを対象に、生産性の高い開発を行うことができる。

 また、これらの製品のUI部分に使われるグラフィックはGPUを活用するため、高速かつ美しい描画が可能な上に、プログラムのロジック部分にはCPUをフルパワーで使えることなども大きな特徴となっている。

新たに搭載されたフレームワーク「FireMonkey」

 今回、開発ツールスイートに含まれる「Delphi」および「C++Builder」には、新たにリッチなインターフェースを開発するためのフレームワーク「FireMonkey」が搭載された。

Delphi・C++Builderに共通で搭載されたフレームワーク「FireMonkey」。さまざまなデバイスに対応するアプリを構築できる

 これまで、ビジュアルの操作のみでは実装が難しかった3Dなどの高度なグラフィックの開発も、FireMonkeyを使うことにより簡単に開発できるようになる。例えば、トランジションでビットマップにエフェクトをかける場合なども、ドラッグ&ドロップでコーディングせずに実装できる。さらに、3Dオブジェクトの回転や形状の変更、ライティング効果の設定など、すべてドラッグのみで行うことができる。

 コンパイルの際には、ターゲットプラットフォームを開発環境から選択するだけで、簡単にクロスプラットフォームに対応したアプリケーションを構築できる。64bitのWindows、Mac OS X 10.6.8に対応する形式へも変換することが可能だ。

 さらに、対応するOSに合わせた開発が行いやすいよう、各OSを再現したスタイルでダイアログが表示される「オープンダイアログ」も用意され、それぞれのOSに沿ったメニューバーの動作なども設定できるようになった。自動でスケーリングして、解像度やウィンドウサイズを合わせたりなど、アプリ挙動時のカスタマイズも容易だ。

 David氏はデモにて、データベースにある魚のデータを読み込んで、回転表示やサイズ変更、3Dのユーザーインタフェースへのマッピングなどを行った。表示されているデータを変更し、データベースに格納することも可能だ。アニメーション効果を設定することで、コンポーネントからイメージを接続、明示的に定義できることも紹介した。

多様なモバイルデバイスへの対応も可能

 RAD Studio XE2では、iOS、Android、BlackBerryから、Delphi/C++で構築したDataSnapサーバーにアクセスし、モバイルデバイスにデータを送ることで、ソースコードファイルを各種モバイルデバイスに対応させることができる。

 さらに、JavaScriptライブラリ「jQuery Mobile」をカプセル化したコンポーネントによる、PHP言語でのモバイルアプリのビジュアル開発にも対応している。PHPのプログラムをサーバにビルドし、クライアント側では、スマートフォン向けのフレームワーク「PhoneGap」を使用してAndroid/iOSアプリケーションへと変換できる。

 David氏は例として、RadPHPを使用したモバイルアプリのデモも実施した。データベースと連携するコネクションコンポーネントにより、AndroidでもiPhoneでも、モバイルのユーザーインタフェースを自動的に表示できる。

RAD Studio XE2で高性能・高品質のアプリケーションを

 このようにRAD Studio XE2は、Windows、Mac、モバイルといったさまざまなアプリに対応し、あらゆるサーバ/Webサービス/クラウドストレージと連携が可能だ。新機能の「FireMonkey」では、3Dグラフィックの開発にも対応している。

 いわゆるRIAではなく、ランタイムも必要としない ― これ1つでコンパイル、実行、デプロイまでのすべてを管理できるRAD Studio XE2。David氏は「すばらしいビジネスアプリケーションを構築するための、すべてが用意された製品」だと語り、セッションを締めくくった。

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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https://codezine.jp/article/detail/6194 2011/10/04 15:08

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