SimpleDateFormatクラス
さきほどのサンプルでは、Calendarオブジェクトの各値をそのまま使って日付時刻を表示しましたが、Java SEには、指定の書式に従って時刻の文字列を整形するDateFormatクラスが用意されています。
DateFormatクラスは、日付時刻をフォーマットおよび解析するための抽象クラスで、一般にそのサブクラスであるSimpleDateFormatクラスがよく使われます。
SimpleDateFormatクラスは、ロケールを考慮して日付時刻をフォーマット、解析します。例えば現在日時を表示するには、次のように用います。
// SimpleDateFormatクラスによる書式設定 SimpleDateFormat sdf = new SimpleDateFormat("yyyy/MM/dd HH:mm:ss"); String tmp = sdf.format( new Date() );
コンストラクタまたはapplyPattern、applyLocalizedPatternメソッドの引数でパターンを指定し、formatメソッドで出力します。formatメソッドの引数には、Dateオブジェクトを指定します。なお、Dateオブジェクトは、CarendarクラスのgetTimeメソッドでも取得可能なので、次のように書くこともできます。
sdf.applyPattern("yyyy'年'MM'月'dd'日'"); String tmp = sdf.format( Calendar.getInstance().getTime() );
パターンとは、フォーマットの書式を表す文字列で、次のような文字を使用して表します。
文字 | 概要 |
y | 年 |
M | 月 |
d | 日 |
E | 曜日 |
a | 午前/午後 |
H | 時(0~23) |
K | 時(0~11) |
m | 分 |
s | 秒 |
S | ミリ秒 |
同じ文字を連続して指定することで桁数を指定できます。例えばyyとすると2桁の年、yyyyとすると4桁となります。また、パターンに書式指定以外の文字列を含めるには、その文字列をシングルクォーテーションで囲みます。
android.text.format.Timeクラスを利用する
Android SDKにも、日付を操作するクラスが含まれています。
android.text.format.Timeは、Calendarクラスと同様のもので、例えばこのクラスを使って現在日時を表示するには、次のようにします。
// android.text.format.Timeクラスでの現在日時 Time time = new Time(); time.setToNow(); String tmp = time.year + "/" + (time.month + 1) + "/" + time.monthDay + " " + time.hour + ":" + time.minute+ ":" + time.second; printString(tmp); // タイムゾーンの表示 printString(Time.getCurrentTimezone());
Timeクラスのコンストラクタには、引数として任意のタイムゾーンを指定することができます。何も指定しない場合は、デフォルトのタイムゾーンになります。
setToNowメソッドで、Timeオブジェクトに現在日時を設定します。Time.getCurrentTimezoneメソッドは、現在のタイムゾーンを示す文字列を返します。
DateUtilsクラスを利用する
またAndroid SDKには、日付時刻を書式指定して表示できるクラスもあります。
android.text.format.DateUtilsクラスは、日付の書式指定の表示や、解析処理を行うクラスです。DateUtilsクラスを用いて、現在日時を表示するには、次のようにformatDateTimeメソッドを用います。
// DateUtilsクラスでの日時表示 printString(DateUtils.formatDateTime(this, new Date().getTime(), DateUtils.FORMAT_SHOW_YEAR | DateUtils.FORMAT_SHOW_DATE | DateUtils.FORMAT_SHOW_TIME ));
この例で用いたformatDateTimeメソッドの引数は、順に、コンテキスト、エポック起算のミリ秒、書式を示すフラグとなっています。書式を示すフラグには、次のような定数を組み合わせます。
定数名 | 説明 |
DateUtils.FORMAT_SHOW_YEAR | 年を表示 |
DateUtils.FORMAT_SHOW_DATE | 日付を表示 |
DateUtils.FORMAT_SHOW_TIME | 時刻を表示 |
DateUtils.FORMAT_SHOW_WEEKDAY | 曜日を表示 |
DateUtils.FORMAT_12HOUR | 12時間表記 |
DateUtils.FORMAT_24HOUR | 24時間表記 |
日付のパース
以上、日付時刻を文字列にする方法を見てきましたが、こんどは反対に、日付時刻の文字列を解析(パース)して、オブジェクトに変換してみます。
SimpleDateFormatクラスには、日付時刻をパースするparseメソッドが提供されています。
try { DateFormat df = DateFormat.getInstance(); Date d = df.parse("2011/12/31 1:23"); printString(d.toLocaleString()); // RFC1123形式の日時を解析する DateFormat df2 = new SimpleDateFormat("E, dd MMM yyyy hh:mm:ss zzz", java.util.Locale.US); d = df2.parse("Wed, 30 Nov 2011 10:23:45 GMT"); printString(d.toLocaleString()); // デフォルトのタイムゾーンに変換 } catch (ParseException e) { }
解析する日付のパターンを指定することもできます。例えばHTTPの通信で用いられるRFC1123形式の日付時刻であれば、コンストラクタにパターンと、ロケールを指定します。RFC1123形式では、曜日や月名が英語表記なので、英語のロケールを明示して設定します。この指定がないとデフォルトのロケールとみなされますので、日本語の環境ではパースができず例外がスローされてします。