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Android開発のためのJava SE再入門

Androidにおける日付処理の基本

Android開発のためのJavaSE再入門(7)

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SimpleDateFormatクラス

 さきほどのサンプルでは、Calendarオブジェクトの各値をそのまま使って日付時刻を表示しましたが、Java SEには、指定の書式に従って時刻の文字列を整形するDateFormatクラスが用意されています。

 DateFormatクラスは、日付時刻をフォーマットおよび解析するための抽象クラスで、一般にそのサブクラスであるSimpleDateFormatクラスがよく使われます。

 SimpleDateFormatクラスは、ロケールを考慮して日付時刻をフォーマット、解析します。例えば現在日時を表示するには、次のように用います。

// SimpleDateFormatクラスによる書式設定
SimpleDateFormat sdf = new SimpleDateFormat("yyyy/MM/dd HH:mm:ss");
String tmp = sdf.format( new Date() );

 コンストラクタまたはapplyPattern、applyLocalizedPatternメソッドの引数でパターンを指定し、formatメソッドで出力します。formatメソッドの引数には、Dateオブジェクトを指定します。なお、Dateオブジェクトは、CarendarクラスのgetTimeメソッドでも取得可能なので、次のように書くこともできます。

sdf.applyPattern("yyyy'年'MM'月'dd'日'");
String tmp = sdf.format( Calendar.getInstance().getTime() );
図2 現在日時の表示
図2 現在日時の表示

 パターンとは、フォーマットの書式を表す文字列で、次のような文字を使用して表します。

日付、時刻パターンの主な文字
文字 概要
y
M
d
E 曜日
a 午前/午後
H 時(0~23)
K 時(0~11)
m
s
S ミリ秒

 同じ文字を連続して指定することで桁数を指定できます。例えばyyとすると2桁の年、yyyyとすると4桁となります。また、パターンに書式指定以外の文字列を含めるには、その文字列をシングルクォーテーションで囲みます。

android.text.format.Timeクラスを利用する

 Android SDKにも、日付を操作するクラスが含まれています。

 android.text.format.Timeは、Calendarクラスと同様のもので、例えばこのクラスを使って現在日時を表示するには、次のようにします。

// android.text.format.Timeクラスでの現在日時
Time time = new Time();
time.setToNow();
String tmp = time.year + "/" + (time.month + 1) + "/" + time.monthDay
        + " " + time.hour + ":" + time.minute+ ":" + time.second;
printString(tmp);

// タイムゾーンの表示
printString(Time.getCurrentTimezone());

 Timeクラスのコンストラクタには、引数として任意のタイムゾーンを指定することができます。何も指定しない場合は、デフォルトのタイムゾーンになります。

 setToNowメソッドで、Timeオブジェクトに現在日時を設定します。Time.getCurrentTimezoneメソッドは、現在のタイムゾーンを示す文字列を返します。

図3 実行結果
図3 実行結果

DateUtilsクラスを利用する

 またAndroid SDKには、日付時刻を書式指定して表示できるクラスもあります。

 android.text.format.DateUtilsクラスは、日付の書式指定の表示や、解析処理を行うクラスです。DateUtilsクラスを用いて、現在日時を表示するには、次のようにformatDateTimeメソッドを用います。

// DateUtilsクラスでの日時表示
printString(DateUtils.formatDateTime(this, new Date().getTime(),
    DateUtils.FORMAT_SHOW_YEAR |
    DateUtils.FORMAT_SHOW_DATE |
    DateUtils.FORMAT_SHOW_TIME
));
図4 実行結果
図4 実行結果

 この例で用いたformatDateTimeメソッドの引数は、順に、コンテキスト、エポック起算のミリ秒、書式を示すフラグとなっています。書式を示すフラグには、次のような定数を組み合わせます。

主な書式定数フラグ
定数名 説明
DateUtils.FORMAT_SHOW_YEAR 年を表示
DateUtils.FORMAT_SHOW_DATE 日付を表示
DateUtils.FORMAT_SHOW_TIME 時刻を表示
DateUtils.FORMAT_SHOW_WEEKDAY 曜日を表示
DateUtils.FORMAT_12HOUR 12時間表記
DateUtils.FORMAT_24HOUR 24時間表記

日付のパース

 以上、日付時刻を文字列にする方法を見てきましたが、こんどは反対に、日付時刻の文字列を解析(パース)して、オブジェクトに変換してみます。

 SimpleDateFormatクラスには、日付時刻をパースするparseメソッドが提供されています。

try {
    DateFormat df = DateFormat.getInstance();
    Date d = df.parse("2011/12/31 1:23");
    printString(d.toLocaleString());

    // RFC1123形式の日時を解析する
    DateFormat df2 = 
      new SimpleDateFormat("E, dd MMM yyyy hh:mm:ss zzz", java.util.Locale.US);
    d = df2.parse("Wed, 30 Nov 2011 10:23:45 GMT");
    printString(d.toLocaleString()); // デフォルトのタイムゾーンに変換

} catch (ParseException e) {
}
図5 実行結果
図5 実行結果

 解析する日付のパターンを指定することもできます。例えばHTTPの通信で用いられるRFC1123形式の日付時刻であれば、コンストラクタにパターンと、ロケールを指定します。RFC1123形式では、曜日や月名が英語表記なので、英語のロケールを明示して設定します。この指定がないとデフォルトのロケールとみなされますので、日本語の環境ではパースができず例外がスローされてします。

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト 高江 賢(タカエ ケン)

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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