3. モバイルOSのサポートで可能性はさらに広がる
──最後に、C++Builderの今後のロードマップを教えてください。
藤井:まず、現行のXE2ではFireMonkeyの追加やMac OSへの対応が行われました。"対応した"というのはどういうことかというと、プロジェクトマネージャ上で使いたいターゲットプラットフォームとしてMac OSを選択すれば、あとは従来どおりに開発するだけでMac用のアプリケーションが作れてしまうということです。開発者にとって特に変わることというのはありません。開発環境自体はWindows上で実行されますが、リモートデバッグ機能を利用すれば、ターゲットOSを使ったデバッグも可能です。その場合も、デバッグの結果はWindows上の開発環境に戻ってくるので、開発者が操作する環境はWindowsのみで完結させることができます。
次期バージョンでは、このターゲットOSとして64bit版Windows、そしてiOSやAndroidなどのモバイルOSが追加される予定です。これらのOSについても、Mac OSの場合と同様に、すべてターゲットプラットフォームの選択だけで利用することができます。ARMプロセッサ向けコンパイラの開発にも着手しており、モバイルOSでも最適なパフォーマンスを実現できるはずです。その他、スキンやスタイルなどを利用することで、各デバイスで最適に表示されるような仕組みも提供する予定となっています。
高橋:その他に、標準仕様への準拠も大きなトピックの一つです。まず、最新のC++11がサポートされます。それに加えて、これまではC99などといった従来の仕様に対する準拠が遅れている部分もあったのですが、次のバージョンからはより高いレベルで標準に沿うように改善される予定です。
藤井:次期バージョンの具体的なリリース時期はまだ決定していませんが、直近のアップデートは2012年後半に、その次のアップデートは2013年前半に予定しています。今のところ、どのアップデートでどの機能が追加されるのかということは確定していません。ターゲットプラットフォームに関しては、現在の優先度は64bit版が一番高く、次にiOS、そしてAndroidという順番になっています。ロードマップとしては"何を追加するか"という点と"どのタイミングでリリースするか"という点を両面から考え、その中で最適な選択をして皆さんにご提供いたします。
高橋:私自身、一ユーザーとして最初にC++Builderを手にしたときの感動が今でも忘れられません。「C++でこんなことができてしまうのか」という、衝撃的な体験でした。そして、その感動は今でも継続して存在すると信じています。ぜひ大勢の方にC++Builderを使っていただきたいと思います。
現在、スタンダードサポートの購入者を対象に「C++Builder Future Ticketキャンペーン」が実施されています。将来バージョンのプレビュー版や、1年以内にリリースされる新バージョンを入手できるため、いち早く今回発表された新機能を試せます。
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